yanokami
レビュー ![]() シンプル、そしてちょっとかわいい。
面としての絵(レイハラカミ)の中に求心的な点(矢野顕子)が生まれ、それが勢いよく動き出したり、或は矢野顕子の空間色(背景色)を変えて奥行きや動きをつけることで、絵のヒロインがどんな新しい表情を見せるのか、こうした様々に変化する両者の相対速度がどのように影響しあうのか、矢野顕子+レイハラカミという天才同士の組み合わせだからその聴き所が多数存在する作品です。
ハラカミ氏は歌ものへ取り組む際、主題の邪魔になるようなドラマチックな展開は打たないそうです。今作も歌や主旋律を活かしつつ、音響で新しい見え方にすることを意識されたよう。しかもシンプルにです(音源はRolandのSC-88Proだけ等、極めて素朴な環境だとか)。でもこのシンプルさのなかに何か久遠の深みや凝縮された行間を覚える気がして、氏の世界を感じてしまいます。風景に動きをつけるに、大袈裟なことをせず、主題に沿いつつ原曲から更に拡がる宇宙をつくってみせる。そのシンプルさって凄く美しいと思います。 因みに昔矢野氏は自身のピアノプレイに関して「歌の邪魔をするものを弾きたくない」と述べていますが、ハラカミ氏の音ってこれに徹しながら自身の色もイーヴンに出しているのが凄いです。 そんな慎ましさを知るのが背景なら、ヒロインの動きもそれにあわせてしなやかです。矢野氏の声質そのものにあるガーリーな部分(まるで齢を感じさせませんね)や、歌唱方法としてもハラカミ氏の空間を意識し、そこへ溶け込まそうとする歌い方(ハミングや軽い音の乗せ方)で、調和を図っているのがわかります。作品を通して決して彼女だけ奔放ということがないんです。「彼がそうくるなら私はこう歌う」と。ここがヤノカミだと思いました。勿論第二の歌声であるピアノの重ね方も然りです。 今作の音作りの基軸となったという「恋は桃色」では当に両者の息がぴったり。背景と歌声が織り成す色彩の綺麗さは、桃色というタイトルのように、音の花で染まる感覚の美しさがありました。 レイ・ハラカミはマーカス・ミラーだ
私は矢野ファンなので、まずは矢野側からのアプローチ。ハモンズでの経験から(それを言うならYMO時代から)こういう実験的なエレクトロニカと矢野は非常に合うのは頭では分かっていた。しかし過去の経緯もあるから、ついそれ以上を求めてしまう嫌いがある。それはYMO(今はHASYMOか)でもそう。だが考えてみれば今挙げた人達は皆50代になってしまった。一方でイノヴェーションはやはり若い頭脳から出てくるものだという気持ちがないでもない。だから余り期待し過ぎも禁物だ。
おそるおそる聴いたYanokamiは、しかし驚くほど「自然」。「あれ?今までこういうのはなかったんだっけ?」という位スムーズに入ってくる。この要因はつまり、レイ・ハラカミの作り出すトラックにある。一番いいのは「無理をし過ぎない」事だった。あまり「テクノ!」でない所がポイント高い。聴けば機材はローランドのシンセ1台位しか使っておらず、音もせいぜい8チャンネル位のようだ。このシンプルさが良い。分析できそうで、できない寸止めの所がこの人の技なのだと分かった。レイ・ハラカミ恐るべし。 似たケースはマイルス・デイヴィスの『TUTU』だ。これはマーカス・ミラーがほとんど一人でオケを作ってしまっているが、しかしマーカスも難しい音は避け、マイルスに寄り添う音だった。共通するのはシンプルさ、だ。大御所相手の正しい戦略だ。 最後に矢野。矢野はどーぉんと、拡げた新聞の上で寝そべる猫だ。やはり存在感が凄い。「おおきいあい」は久々に傑出したものではないか。「La La means I love you」はヤマタツのヴァージョンが頭にあったので楽しく聴けた。このユニットの解散を厳禁する。 不思議な浮遊感に包まれるサウンド
yanokamiはまったく新しいバンドだ。yanokamiは矢野顕子の延長でもなく、レイハラカミの延長でもない。このグループは音楽的に共鳴し新しい音を作りたいのでアルバムを作ってみました、という表層的なレベルだけではない。曲はでき次第、yanokamiサイトとmyspaceでアップし、発売前のプロモーションでは全曲、フルコーラスをインターネット経由で自由に聞けるようにしていた。音楽配信会社やあるいはレコード会社中心のプロモーションではなく、それがyanokami自身のバンド活動のスタイルなのである。ベテランと新進気鋭のミュージシャンがそれをやってしまうすごさ。インターネットを敵視するJAS○A○のような近視眼的で前近代的なシステムを鼻でフフンと笑っているようにも思える。そう、yanokamiはインターネット時代における音楽の在り方を実践するための新しいバンドなのだと愚考するのであった。矢野顕子の以前のアルバム「ホントの気持ち」にあったレイハラカミとのコラボ曲の雰囲気を前面に押し出した内容である。選曲はデビュー当時から現在に至るまで幅広く選択し、それをレイハラカミサウンドに仕上げている。レイハラカミの不思議に癒されるサウンドに矢野顕子の声が浮遊感を与える。たとえるなら夏の夜、満天の星空の下、一人プールに浮かんで漂いながら空を眺めるといった感じかな。(筆者は矢野顕子のデビュー以来のファン)
今年の宝物のひとつです
両者の過去の作品のほとんどすべてを知る者としてはいろんな感慨があるのですが、
この計算式(足し算)はもともと相性が良いこともあり、非常に完成度が高いアルバムと なっています。何はともあれ「無駄なやりすぎがひとつも無い」ところがイイ。 音的には本当に単純な足し算です。でも無駄が無い、邪魔が無いので、そこがベストな 状態に感じられます。両者共にかけた部分のない「1.00」な人なのできちんと「2.00」に なっている今の状況がうれしい。誰が聞いても矢野顕子とレイハラカミです。 本当はアッコちゃんの新作をたっぷり聴きたいという気持ちもありますが 中途半端なものになるのならまずは今回の方法論で正解だと思います。 でも次回は新作メインがイイナ。 ところでこれは(先入観の無い)海外の人が聞く場合どのような評価なんだろう、と 思いました。どうなんだろう? 少なくともこの組み合わせのような音を出してるグループって今の地球には他にないですよね。 リミックス集以上ではない
矢野さんの作品はほとんど好きだし、レイハラカミさんの作品も大好きだが、このアルバムはわざわざユニット名までつけて制作すべきものだったのか疑問だ。
8割方矢野さんの過去のヒット曲に、レイハラカミさんのトラックをつけ、歌を新録したものだからだ。 それだったら矢野顕子ベストremix by reiharakami みたいな形式でも足りたのではないかと思ってしまう。 二人がユニットを組んだことによる化学変化が感じられないと思うのだ。 別の言い方をすれば、矢野さんのリミックスとして聴けば、相応な内容であると思う。 ライブにも行く予定なので、引き続き活動を見守りたい。
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レビュー ![]() ある意味ベスト盤そしてナイスミックス盤
まず感想としてすばらしいアルバムです.ミニマルテクノ好きならおすすめします.
一言でミニマルテクノといっても音色のセンスや構築の仕方が日本的で繊細だと思いました.(いい意味でも悪い意味でも) これまでの各12インチをまとめたアルバムだけあってop所属のアーティストのべスト盤的なアルバムです。Disc2のDenによるミックスがよいです。特に7?8曲目のAOKI Takamasaにつながる部分は秀逸!
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