原典による哲学の歴史
レビュー ![]() 副読本に最適
原典の翻訳がほぼ網羅的に掲載されており、大学の哲学、倫理の授業の副読本(そのために作られたのだろう)に最適である。
古書ではかなり安くなっており、中公や岩波等の哲学史を読みながら、適時参照するにはかなりリーズナブルであろう。 中世や、現代もフォーローしているので、類書よりも充実感がある。 控えめな解説も得意分野を各執筆者が担当しているので的確だと思う。 読者対象がわからない
内容はタイトル通り。主要な学派について章立てし、担当者の概説と必要に応じて、その学派の主要論文の原典(訳)を引用するアンソロジー。全体で見れば、コンパクトで質の高い論文が多いけれど、以下の理由で定価3000円強は少々高いと思う。各著者の解説と知見が追加された形で文庫版が出たら嬉しいな。
【良いと思う点】 フランクフルト学派、新カント派など、幾分マイナーな学派についての解説がわかりやすく、流れの中で的確な引用だったのでとても参考になった。 【悪いと思う点】 アンソロジーにしばしばある通り論文の出来が玉石混淆。また、そもそも原点引用という形式を全ての学派に対して行い紹介しようとするのも些か無理があると思う。特に現象学や実存主義などは、いきなり難解な引用がなされていて、しかも引用部分の解説は少ないなど、章によってはかなり読み進めづらい。現象学や実存主義は「人気」の学派なのでネット上でもリソースが豊富で、むしろそういう分野こそ、ネットに負けぬよう解説と引用の絡みが大切だと思う。 それとやはり原典が必要な人びとは多少とも専門家かそれに類する人びとであろうと思うけれど、専門家なら原典を読むだろうし、一般の人びとであれば、もっと平易な内容のものを求めると思う。その意味で(自分で手に入れておいて何ですが)、読者対象がピンと来ない。
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