青春の殺人者 デラックス版 [DVD]
レビュー ![]() 不惑で初めて観る『青春の殺人者』
再販されたDVDで初めて観る。
まだ親が「親らしい」、子が「子らしい」時代に、「子らしい」子である主人公は馬鹿正直にも両親殺しという過剰な形で親離れをしようとする。しかも最後にはその原因となった恋人すらも放棄してしまうのだから、ストーリー的には救いがない暗く鬱な映画。いろいろな意味でリメイクは不可能でしょう(笑) それでも個々の心理を丹念に捉えようとした田村孟の緻密なシナリオと、それを忠実に再現しようとする長谷川和彦監督のパワフルな演出、不安定な気持ちで揺れ動く青年役を見事に演じきった水谷豊や市原悦子の怪演によって、一見無軌道な主人公の行動や母親の支離滅裂な言動も十分説得力がある、実に丁寧に作られた映画ともいえる。 ラストシーン、バックにゴダイゴの穏やかで優しい名曲『It's good to be home again』が流れる中、主人公を載せたトラックを追いかけていたカメラの視座が段々と遅くなり、やがては止まってその姿を見失ってしまった時、不意に目頭が熱くなった。 それは子として決然と親から離れることもなく、親離れしてゆく子を持つでもない、中途半端に置き去りになった自分そのものに重ね合わせたからなのだろうが。不惑のオヤジが自己憐憫の涙というのも恥ずかしいけれど、この映画はそういう見方もできるということで。 やっと見れました‥
30ン年水谷サンのファンですがこの作品だけなかなか見れるチャンスがありませんでした(子供だったし今と違って家庭用ビデオやレンタル店無くTVで放映されなさそうな作品だったもの‥)今回のDVDでやっと念願が叶いました。大好きな作品になり一人で何回も見てしまいます。40代のオバチャンになって初めて見たのが良かったのかも‥それでも衝撃的でキャベツ見ると恐くなり原田サンの「じゅんちゃ〜ぁん」や市原サンの「痛くしないで」の声が数日頭から離れませんでした。水谷豊&市原悦子にシビレます。破滅的な役の水谷サンはたまりません。『杉下右京』が水谷豊とおっしゃる方‥この水谷豊にかつて魅せられた若者がたくさんいたことも知っててもらえたらなぁ‥と思います。
あまりに70年代的、『相棒』ではないヒリヒリした水谷豊が鮮烈
水谷豊は、私の子どもの頃からのヒーローでした。
熱中時代の彼の姿が忘れられなくて。 あの青臭さ、少しつんのめるような話し方、今では想像できないカッコよさだった。 この映画、原美枝子が新人で大抜擢され、大胆なヌードを披露しつつ体当たりの役柄を演じています。 それはそれで話題になるとは思いますが、個人的にはやはり水谷豊の熱演が素晴らしいと思います。 何しろ青い。 とんがりまくっています。 70年代から行き場を失って焦燥感を募らせる若者を象徴するように、全ての欲望を暴発させまくる姿は、あまりに鮮烈です。 長谷川和彦は天才と呼ばれた映画監督。 寡作の人として知られますが、寡作というよりも実際にはこの映画と「太陽を盗んだ男」しか作っていません。 しかし、この二作を見ただけでも、天才という肩書きは決して偽りではないと感じます。 この映画の後に発生した『金属バット事件』、またその後に顕著になる核家族化と親子関係のいびつな変形(マザコン、ファザコン、子離れできない親)、それら諸々の問題を予見していたという意味でもトンでもない映画のように思います。(個人的には、この映画の後を継いだのは「家族ゲーム」ではないかと感じていますが。) このDVDが再販されることは、大変意味があると思います。 これまで長らく入手困難でした。 ATG映画は日本映画の流れの中では避けて通れません。 日本の古い映画は、海外の(米の)映画に比べて省みられることが少ないように思います。 こういう日本映画を多くの人に観てもらいたい。 (ただ、相当ハードな場面ややり取りが出てきますので、万人、特に子どもにはおススメしません。映画の好きな真面目な人に是非観て欲しいと思います。) <長谷川氏関連作品> 74宵待草 脚本(神代辰巳) 74青春の蹉跌 脚本(神代辰巳) 76青春の殺人者 監督 79太陽を盗んだ男 監督 84逆噴射家族 製作(石井聰互) 91夢二 出演(鈴木清順) わ、わからん。
どうしてこれが日本映画の傑作として君臨しているのでしょうか。理解に苦しむわん。
超寡作家のデビュー作
知る人ぞ知る、超寡作家のモンスター監督長谷川和彦のショッキングな
デビュー作です。少し前に再発された「太陽を盗んだ男」が話題になり そちらの方が有名ですが、その「太陽」の後半部のような突き抜けた笑い は一切なく、いかにも70年代なダークな展開、演出で貫かれています。 しかしながら、この監督独特のシュールな味付けが、ダークな激情と 渾然一体となり、絶妙ないびつさを醸し出しています。そこに水谷豊 というライトなイメージの俳優を主演に当てることで、そのいびつさを さらに増し、この上ない芸術映画(娯楽映画)として成り立たせている傑作です。
青春の殺人者 デラックス版 [DVD]を見てみる
クリエーターは「長谷川和彦」「水谷豊」「原田美枝子」「内田良平」「市原悦子」「中上健次」です。 この商品を買った人は他にも「太陽を盗んだ男 [DVD]」、「祭りの準備 [DVD]」、「家族ゲーム [DVD]」、「ヒポクラテスたち [DVD]」、「サード [DVD]」、などにも興味を持っています。 青春の殺人者 デラックス版 [DVD]
恋人との交際を反対された順は、カッとなって父を殺し、その後、母まで殺して逃亡する。厳格な環境の中の溺愛に身動きとれなくなった青年が、ふとしたはずみから地獄の底辺をさまよっていく姿を冷徹にとらえた、70年代を代表し、今も輝きを失わない青春映画の問題作。 これが映画デビューとなった長谷川和彦監督の、当時の社会および日本映画界に対する怒りが、研ぎ澄まされた感性と両立しながら爆発したかのように、やもいわれぬ衝撃的パワーに満ちあふれた傑作である。1976年度のキネマ旬報ベスト・テン第1位。主演の水谷豊、原田美枝子もそれぞれ主演男&女優賞を受賞。その初々しくも凄絶(せいぜつ)な熱演に圧倒される。ゴダイゴによる透明感あふれる音楽とのミスマッチも、逆に青春のせつなさを美しく増幅させていくすばらしさ。今が青春期の人は絶対観ておいた方がいい。(的田也寸志) レビュー ![]() 暗く、かつ軽く
普通の日常が、ほんのふとしたことから壊れてしまう。しかも絶対にその頃は戻ってこない。
そんな暗く切ない話を、軽いタッチで、ほとんどエンターテイメントに仕上げてしまっている監督の力量に感服しました。 一家心中のシーンは本当に怖い!! そんな怖いシーンを観たあとで、回想シーンに、幸せに浜辺をチンチン自転車を引きながら歩いている親子の姿をみた時には、思わず涙を溢しました。 絶対に戻ってこない幸せ、ノスタルジィ。 そんなものは、本当に簡単なことで無くなってしまう。 そして、その若者の叫びを誰一人聞いてくれちゃいない。 是非観て下さい。 これは凄い映画です!! 不思議。
とても暗く救いがない映画なのに水谷豊が出てるだけで妙にかっこよく感じたものでした。やはりまだ傷だらけの天使のアキラのイメージが大分濃厚な時期だったからでしょう。そういった点から観れば監督や原作の意図したテーマからは大きく逸脱していた訳ですが恐らく水谷豊が出てなければここまで話題にはならず評価はされなかったでしょう。
市原悦子怪演
時代が反映されている映画でした。世の中ろくな事件が無い。でもこの頃に比べたらまだましかも・・・なぜならばこの時代は、収拾がつかなくなっていたから。
市原悦子の狂気や、水谷豊の演技がすごくなんかリアルだった。内容が、行き当たりばったりな感じがすごい。収拾のつかないただくらい映画なのに、そんなにやな感じがしないのは、ゴジラマジックですかね・・・。一度は観ておきたい映画ですね。 ※トラウマにならないように暗い部屋で一人で見るのはやめましょう。 暗〜く、重く、そしてよくも悪しくもやたら熱〜い!!
学生のころ名画座で見て衝撃を受けたのをおぼえていて、この歳になっても同様の感動があるものか確かめたくなって見てみました。そしてそれなりには楽しめたのですが…。
そうとう昔の映画なのにあまり古さを感じなかったことにびっくり。水谷豊はこのころすでに演技ができあがっていたのだなあ、とそれにもびっくり。(意地悪な言い方をすれば、以来まったく進歩がないってこと?) ただ当時絶賛されたと聞く原田美枝子は最初から最後までヒステリックに叫んでいるだけで、 どこが名演技なの?と首を傾げたくもなりましたが、でも彼女の十代の輝きはまぶしくて、大女優の片鱗は たしかに見て取れたような気もします。 そして一番びっくりしたのは、私がこよなく愛するゴダイゴの曲が全編に使われていたのを知らなかった(忘れていた)こと。大ファンを自認する者としては恥ずかしい限りですが、残念ながらこの作品にはワンシーン(主人公が移ろう意識の中で過去の幸せな瞬間を回想するくだり)を除いてはまったくマッチしていなくてがっかりでした。 作品とはあまり関係ありませんが、DVDの特典の長谷川監督のインタビューは制作裏話としてなかなか興味深く、また豪傑として鳴らした彼の人となりもかいま見る事ができとても面白かったです。この類いのおまけをあまり見た事がありませんが、お金もかからない企画なのでぜひどの作品でも付けていただきたいものです。 大人になるための儀式
長らくビデオ版で見てきただけに、たった5分長くなっただけとは言え、DVD版は衝撃的でした。そしてその5分に重要なシーンが凝縮されています。そして長谷川監督のインタビューも目から鱗が落ちるもので、今までこの映画に思い入れてきた先入観が晴れました。予告編にしか残っていないシーンもあり、絶対にこのDVDは買いです。
不謹慎かもしれませんが、どうも私は両親殺害の前半部はブラック・コメディに見えるのです。死体でしかない父親はまるで『ハリーの災難』ですし、市川悦子のぶっ飛んだ大仰な演技は何か時代劇の大立ち回りを思わせます。それは長谷川監督の資質なのかもしれません。暗黒劇にしても良いし、スプラッターにしても良い所なのに、深刻さをあえて避けているように感じます。しかしそれとは対照的に、主人公がケイ子と一緒にいる時間の方が張り詰めた心象に満ちています。そして父親は主人公の回想の中で最も存在感を持つのです。この作品のテーマは両親殺しと言うよりも、むしろ好むと好まざるとに関わらず大人にならざるを得ない青春の戸惑いと苦悩であるように思います。原作の『蛇淫』もかつて斜め読みしたことがありますが、この映画では主演女優に原田美枝子を迎えたことで、全く違った作品になっています。濃密な情念の世界がリリカルな青春の彷徨ストーリーになり、まるでテレンス・マリックの『バッドランズ』の作品世界です。 1980年には金属バット殺人事件やバス放火事件が起こり、真意の知れない不気味な事件が増える先駆けとなりました。この作品はまだ人間の顔が見える時代の名残を残しています。そして大人になることが簡単ではなくなった現代の若者のもがきにも通じていて、今こそ再評価されるべき作品だと思います。
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クリエーターは「長谷川和彦」「水谷豊」「内田良平」「市原悦子」「原田美枝子」「中上健次」です。 この商品を買った人は他にも「太陽を盗んだ男 [DVD]」、「青春の殺人者 デラックス版 [DVD]」、「NEW KISS [DVD]」、「ジュテーム ~わたしはけもの [DVD]」、「さらば友よ [DVD]」、などにも興味を持っています。 |