黒冷水 (河出文庫)
レビュー ![]() えぐい、感動するほどえぐい
兄貴と弟。陰湿な争い。
自分にも年が近い弟がいるからよくわかる。 常に身近にいる存在であるが故に、クラスメートなんぞよりも何倍もライバル心を燃やし、母親には少しでも気に入られようと甘え、時には殺意さえ芽生える。 さすがにここまで残酷な攻撃はしないしされないけども、心情は大いに共感。兄が弟に嫉妬する気持ち、弟が兄に嫉妬する気持ち。よおく書けている。天才。 500円玉のくだりは鳥肌がたった。 クライマックスの弟も、嫌。 面白いけど人を選ぶ
年の近い兄弟姉妹を持っている人なら、似たようなことは何度かあるはず。この作品はそれをグロテスクに展開させています。
その異常さが面白いけど、こういった経験がない人には異常さだけしか残らないんじゃないかなぁと思います。 すべてを剥がす作家の原石
一般的な読書人とプロの書き手なんかは、この作品の面白く読み、評価するでしょう。
でも中途半端に「純文学」をかじってしまっているような高慢ちきで馬鹿な読書人なんかは、単なるエンターテイメント作品だと言って批判するかもしれない。 当時17歳だった作者による今作には、確かに拙い表現も所々ある。しかし「観察」だけで最後まで続く異様な作品世界はまぎれもなく「純文学」で、その上で「エンターテイメント」という難しい課題を両立している。 エンタメ色を自在に出せる純文学作家は沢山いそうだが意外と少なく、村上龍、山田詠美、阿部和重くらいだろうか。この路線で、専業で頑張ってほしい。 黒いです。冷たいです。でも気持ちよくて美味しい毒です
『黒冷水』です。
たとえば、コメディーが笑えるもので、ホラーが怖いもので、アダルトが性的に興奮させるものだとすれば、本作は「不快な」作品です。エスカレートした兄弟喧嘩の様子がこれでもかというくらいに細かく書かれています。カッターの刃が大活躍します。 どんでん返しもありますし、黒幕みたいなキャラもいるしで、エンターテインメントとしても楽しめるようになっていますが……その部分はあまり評価は良くないようです。確かに「不快さ」を読者に抱かせる描写が売りの作品なので、蛇足といえばそうなのかもしれません。 兄弟喧嘩なんて、現実には血で血を洗うものに発展しちゃうものです。本作はほどほどの寸止め具合の中で「不快さ」を味わうものです。 黒冷水
序盤が随分と退屈でした。止めようと思ったけど一応最後まで読んだ。
17歳の老成作家ならもっと他にもいたと思うんで(日日日とか)文章云々は本を出す程の人にしてはいてもおかしくないレベルかと。 感想は、何となく読んでいて恥ずかしくなる作品。作者も後に赤面したでしょう。エンターテイメント性を重視しているらしく、共感性には長けていません。ここまで執拗な兄弟喧嘩はあまりに異常だし、そこに執着する人も少ないと思う。そして過剰な閉塞感、歪んだ自己完結。 最終的に作者は何が言いたかったかっていうと、これは楽しめればよいんだって言ってるような気がする。 この人はシニカルなギャグセンスがあると思う。随所でクスクスと妙な笑いが込み上げてくる。
黒冷水 (河出文庫)を見てみる
クリエーターは「羽田 圭介」です。 この商品を買った人は他にも「不思議の国のペニス」、「クラインの壷 (新潮文庫)」、「聖水 (文春文庫)」、「ロリータ (新潮文庫)」、「グロテスク〈下〉 (文春文庫)」、などにも興味を持っています。 不思議の国のペニス
レビュー ![]() 期待はずれ
正直な所、面白くなかった。
著者の処女作「黒冷水」が余りにも僕の心を打ったので、この作品にも大きな期待を抱いていたのだが見事に裏切られた。 主人公は自称エロセレブの男子高校生。二つ年上の女と、SMならぬSS関係を続けている。果たして二人の恋の行方は… 文章は読みやすく、全体の長さも短い。ただ、その本の薄さ同様に内容も薄い。 SMやSS、その他登場する多くの濃いエロアイテムに比べ、二人の心模様や物語の進展は簡素でありきたりだ。 この程度の「青春小説」なら、世の中にゴマンと溢れているだろう。 ただ、主人公の高校で繰り出される卑猥な話、それは非常に適切な描写で、自分の高校に相通じる所もあった。 それを共感と呼べるかは分からないが。 生きた登場人物
なによりも登場人物が生き生きとしていて良い。純文学にしては珍しくストーリー性があり(といってもサスペンスや感動系とは違い)、一気に読んだ後、気付くと色々な事を考えているという感じの読後感。図書館で見たときは借りられなかったが、こんな内容なら発売した直後にでも買っておけばよかった。おススメです。ケータイ小説なんか卒業して、こういう作品が読まれるようになって欲しいものです。次作は何を書くんでしょうかね?
「俗」をまとった日本近代文学の先導作品
下ネタが駄目な人、真面目な人は、タイトルからして拒否反応を受けるでしょう。そして作者のデビュー作に感激してこの作品を読んだ人も、全く違う内容に戸惑うのかもしれない。
しかし、この作者は同じ事を書き続けているような気がする。 執拗な観察眼でもって、世の中を容赦なく見続ける「羽田圭介」。一作目が「机覗き」なら、今作は「包茎(隠す・見せる)」。 ともかく安易にメタファーのつけやすい「性」というものから、作者は「意味」を剥がそうとしている。 行きずりのセックス、不倫、同性愛、失恋、恋人の死、純愛……。日本の文学のほとんどは、メタファー性の強い「性」を題材にすることにより、本当は何も書かれていないのにも関わらず「何か書かれているような錯覚に陥る」作品ばかりで溢れている。それは昨今の純愛小説ブームだけでなく、明治期からずっと続いている。 作者は、そんな幻影にさせられた「日本文学」の皮を剥き、裸の純文学を近作で作り上げた。 性をただの記号と捉え、その上で登場人物たちの心理描写を紡いでいる本作は、大袈裟ではなく日本文学史上初の、「脱・性メタファー小説」だ。 とにかく後半の馬鹿馬鹿しい描写も活きていて、そういう笑える箇所もあるのが評価高いです。 作者に求められる課題としては、作品をコンスタントに出してゆく継続力でしょうか。 濃いアイテムでごまかした薄っぺらい話
SSプレイやエロセレブを目指してアダルトショップ通いなど、濃いアイテムがいっぱいでてくるのに、人物には魅力が全くない。彼女が欲しい、エッチがしたい、包茎に悩む、そんな一般的な男子高校生が何人もでてきて、エロ話や寒いギャグをわぁわぁ話すだけ。この手の寒いエロ話のやりとりは、男性だったら「あ、高校時代そのもの。懐かしい」と思ったりするのですかね。私は女性なので「寒い、つまらない、くだらない」という風にしか思いません。そう、小説ではなくて、ある男子高校生のつまらない日記(本人はすごく面白いと思って書いている)を読まされたかんじです。
終わりの方に、「青春小説にこれは欠かせませんよね」とでも言うかのように、文化祭のエピソードが中途半端にでてきて、そこで主人公はライブをやって好きな子の気持ちを掴もうとする。 タイトルやアイテムに比べ、これでもかってくらいに薄っぺらい話。 買った事を後悔します。二度と読み返しません。
不思議の国のペニスを見てみる
クリエーターは「羽田 圭介」です。 この商品を買った人は他にも「黒冷水 (河出文庫)」、「美丘」、「夜は短し歩けよ乙女」、「鈴木先生 (1) (ACTION COMICS)」、「大阪ハムレット (1) (ACTION COMICS)」、などにも興味を持っています。 走ル
レビュー ![]() 文章がいい
なんでこんな評価低いの?? エンタメの読者が読むとこうなるということ?
文章がすごく見事だと思いました。コストのかかった徹底的に丁寧な描写 ──それがえんえんとつづく。いい文章なので読むのは心地いいけれど、 実験的なほどそれがえんえんとつづくので飽きる(というとわるいので、 くたびれる、というべきか……)。 メールの部分はサービス部分というか、けっこう楽しく読めます。 とりあえず読んでみて
「自転車」というキーワードだけで読んでみたが、中身は東京から青森まで走った、それだけ。道や街の記述にもこれといったものもないし、何の盛り上がりもない。読むだけ時間の無駄としか思えない。
何もない
サイクリストには突っ込みどころ満載だが、そんなことよりも読後に余韻も感想も何も浮かんでこない。久しぶりにひどい本を読んだ。
作者は何を伝えたいんだろう。 「青森まで数日間も走っているのに、主人公が接触しているのはケータイで繋がっている東京の同級生や彼女だけ」という「現代の若者の孤独」だろうか(たぶん深読みしすぎ)。 ギャップに魅力
突発的にチャリンコに乗って家出同然の爆走も、ケイタイというツールを持っていることで今までの日常が常に付きまとう。ただひたすら走るストイックさと、いつものケイタイメール星人のギャップが気持ち悪いという評価もわかる。がこの少年ひょっとしたらいつまでも走ってるんじゃね?とやる気を感じるのは書き方が変にうまいからだ。チャリンコ好きの人が読む本じゃないことは確実。少し何かのエネルギーが沸く一冊。
5、6時間あれば読める内容の薄い作品
自分がサイクリストなので期待して読んではみたものの、
単なるツーリング日誌で終わっていて人間ドラマなどとは程遠い良く言えば「紀行文」悪く言えば「雑記帳」のような小説。
走ルを見てみる
クリエーターは「羽田 圭介」です。 この商品を買った人は他にも「自転車三昧 (生活人新書)」、「自転車をめぐる冒険」、「丘の上の小さな街で―白鳥和也自転車小説集 (えい文庫 167)」、「自転車入門―晴れた日はスポーツバイクに乗って (中公新書)」、「セカンドウィンド〈1〉 (ピュアフル文庫)」、などにも興味を持っています。 |