犯人に告ぐ [DVD]
WOWOWでの放映後、劇場公開というパターンをとった本作は、確かにTVドラマっぽい作りも目につくが、サスペンスとしての緊迫感は十分過ぎるほどの出来。「ドラマでも十分な日本映画」とは一線を画する。神奈川県警の巻島警視は、少年誘拐事件の捜査で失態を犯し、左遷させられるが、6年後の連続少年殺害事件を指揮するために県警に呼び戻される。TVのニュースショーに出演した彼は犯人を挑発するような言動を放ち、マスコミの注目も浴びてしまう。犯人が世間やマスコミを観客のように操る「劇場型犯罪」とも違う、「劇場型捜査」の展開が斬新な、雫井脩介のベストセラーの映画化。 当たりハズレのある豊川悦司の演技だが、本作は完全に役にハマった成功例だろう。過去の事件で少年を助けられなかった苦悩と、自分の家庭の問題を抱えながら、体を張って凶悪犯を追いつめる鬼気迫った演技に圧倒される。TV業界のドラマはそれなりだが、警察内の人間関係に深くメスを入れた点も本作の興味深いところ。小澤征悦ら助演陣のリアルな存在感によって、警察の階級社会がシニカルに描かれつつ、地道な捜査にも驚かされる。事件現場のリアルな映像も含め、骨太なテーマが伝わってくる力作だ。(斉藤博昭) レビュー ![]() 日本映画を救う瀧本智行監督の傑作
オープニングの新宿のシーンの画づくりで、本作の監督が只者ではないことがすぐにわかる。
日本映画独特の、色が浅く、くすんだ質感にずっと失望していた私は、本作の見事なコントラストの映像に未来への希望を抱くことができた。隠し撮りで撮影されたというこの新宿シーンや、横浜のカウントダウンシーンの緊迫感はそう簡単に出せるものではない。 画の質感だけでなく構成力も高い。ようするに力のある映像を構築できる才能がこの監督にはあるのだ。 だからこそ主演の豊川氏の熱演もさらにパワー溢れるものに昇華されている。 夜の横浜の夜景をバックに全力疾走する豊川氏のカットも印象的。ここはドラマ、映画のロケ地として何度も登場する場所だが、こういう捉え方の撮影は見たことがなく映像だけで感動したほどである。 観客を引き込む映像の力が最後まで緊張感を失わずに続く日本映画の傑作。 助監督からの叩き上げ監督にはめずらしく、職人気質と芸術感覚の両方を備えている瀧本智行監督。 今後も注目していきたい。 東宝とWOWOWが組んだ、骨太のサスペンス
こういう骨太のタッチの東宝映画は久し振りだ。「樹の海」という傑作を撮った瀧本組なので、今回も人間の「芯」に迫ったシャシンではないかと思っていたが、期待通りの完成度だった。細かなところのアラはある。特に2000年の新宿駅のシーンは「オーパーツ」の連発で、ちょっとびっくりした。小田急の新宿テラスシティとか(2006年オープン)、三菱東京UFJ銀行とか、すぐ分かる「ウソ」がいくつもあるのだ。ムリヤリ新宿駅前を舞台にすることもなかったと思うのだが・・・。でもその後のサスペンスフルな展開は、さすが瀧本組だ。トヨエツの存在感は圧倒的だったし、石橋凌の芝居もキレ味抜群。TV局がTVの「急所」を浮き出させる映画を撮った、というのも大きな特徴だ。近年は東京キー局のみならず、地方局や、テレ玉・tvkといった旧UHF局まで映画に出資していて、まさにバブルの感じだが、WOWOWは映画専門局の色合いが濃いので、その第一作としては上出来だろう。東宝も自社でこれだけのものが製作できるのだから、これからも邦画を引っ張る企業であってほしい。星4つ。
かなり良かった
原作を読んだ上で鑑賞した。
映画は時間の制約もあるため、当然ながらストーリーは小説には劣るものの、豊川悦司の存在感でそのあたりはかなりカバーできており、とても良好な作品に仕上がっている。 犯人は子供を殺害するといった現代社会の病巣を描いているため、子供の遺体のシーンはややショッキングであるが、警察内部のキャリア―ノンキャリア間の争いや、仕事にかける刑事達の熱い想いのほか、夫婦愛や親子の絆の重要性もが伝わってきた。特に、巻島(豊川悦司)がかつて子供を殺害された父親にナイフで刺された際、その父親を庇って逃がすシーンは非常に良かった。 刑事ものが好きな方にはお薦め。 豊川悦司主演の作品の多くはその存在感で名作と呼ぶに値する邦画が多く、今後も益々活躍して欲しい。 原作よりもいいと評価したい
原作は、後半が軽くなってしまって、
私はあまり好きではなかったが、 映画のほうは、その軽さがなく、 非常によかったとおもう。 原因は豊悦の演技と監督の演出かな。 笹野さんがいい演技をしているとおもう。 「パッチギ」でも印象深い演技をしていたけど、 いい役者だなとおもう。 松田美由紀は、石橋凌の線での出演だろうが、 いまいち。 400円近くを出して、DVDを買う価値があるかと聞かれれば微妙だが、 映画を見る価値は十分にある。 面白い
豊川悦司の刑事がハマリ役でとても良い感じです 話も先が読めないというかとても完成度の
高い映画だと思います 映像もなんだか綺麗だけどドキュメンタリー的な感じで良い 最初から最後までドキドキワクワクで引き寄せられます どんでん返しも多くあって楽しめます
犯人に告ぐ [DVD]を見てみる
クリエーターは「豊川悦司」です。 この商品を買った人は他にも「サウスバウンド スペシャル・エディション [DVD]」、「震度0 [DVD]」、「長い長い殺人 [DVD]」、「ナンバー23 アンレイテッド・コレクターズ・エディション [DVD]」、「自虐の詩 プレミアム・エディション [DVD]」、などにも興味を持っています。 犯人に告ぐ 下 (2) (双葉文庫)
レビュー ![]() おすすめ
友達にすすめられてよみました。初めて雫井さんの本を読みましたが、つぎつぎと読みたくなります。様々な心の葛藤や警察の裏事情などがとても面白いです。映画にもなっていますが本で読むことをおすすめします。
劇的なストーリーに魅せられる
6年前のとある事件で演じた大失態により閑職に飛ばされた刑事・巻島が、
捜査の行き詰まった連続児童殺害事件の「特別捜査官」として再び表舞台に呼び戻され、 その指揮を執る―というもの。 その捜査とは、巻島自らがTV出演し、姿が見えざる犯人に対して公の場で呼びかけるという 史上初の「劇場型捜査」。 しかし、前例のないそのような捜査が素直に進展するはずもなく、 警察内部の紛争、TVの視聴率争い、マスコミからのバッシング、 様々なものが絡み合い事件は解決どころか更にヒートアップしていく。 そのスピード感と迫力が圧巻で、ラストに向け巻島が犯人を追い詰めていくシーンはもう鳥肌もの。 なるほど映画化もされるだろうなという劇的なストーリー展開は見事。 純粋に面白い作品だと自信を持ってお勧め出来る。 どこがおもしろい?
まず、この人は警察ものを書かない方が良いかと思います。
警察をリアルに書いているつもりなのでしょうか? 参考文献が載っていましたが、本当に調べたのか?という程でした。 ○曜サスペンス並みの警察でしたね。 冷静で聡明な上司が、いきなり逆切れしてくるのも意味不明でした。 そして、ラストのグダグダ感。全く盛り上がらずに終了。 読みやすかったです
上巻を読んで、この後話が動くんだろうなーと思ったらその通りでした。
もっと重い話になってもいいテーマなのに、あっさりしています。 作者の癖のない文章とすごくあっていてこれはこれで良かったと思いますが キャラクターがすごく良いだけに読み終わった後、もの足りなさが ありました。 なんか初めから映像化の話があったのかと思うくらい、読んでいて『絵』が 浮かぶ小説でした。 私に告ぐ
上下2冊という長さではあるが、一気に読み終えた。
物語のクライマックスは、犯人逮捕ではなく、警察の密告者を引っ掛けるところ。で、肝心な犯人逮捕は意外とあっさりとしていて、肩透かしを食らう。 犯人に告いでおいて、犯人は何も告がない。どんな奴でどんな理由でこのような事件を起こしたのか、最後もきっちりと描いて欲しかった、かな。 でも、面白かったから、許す。
犯人に告ぐ 下 (2) (双葉文庫)を見てみる
クリエーターは「雫井 脩介」です。 この商品を買った人は他にも「犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)」、「虚貌〈上〉 (幻冬舎文庫)」、「虚貌〈下〉 (幻冬舎文庫)」、「火の粉 (幻冬舎文庫)」、「臨場 (光文社文庫)」、などにも興味を持っています。 犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)
レビュー ![]() 人物の書き込み加減が絶妙
あらすじ、読みどころは既出レビューで出尽くしていると思います。本作品が
エンターテイメントとして優れている事は多くの方が認めるところです。他の著 作でも感じられることなのですが、作者は登場人物に生命を宿らせる術に長けて いるように思います。登場人物を表現するには、なりや心情をこまごまと書けば良 いという物ではありません。ストーリー展開を邪魔せず必要にして十分な「書き 込み加減」が作品の長さや事件のスケールに丁度いい描写が本作品を引き立てて いるのではないでしょうか。 本作品に登場する主人公の上司であるキャリア課長のキャラは脇役でストー リーの中でさして重要な役どころではないのですが、その配置やストーリーとの 絡みが全体と調和して非常にいい味を出しています。役どころとしては自己顕示 欲が強い小悪党なのですが、誰が読んでも嫌なヤツに書かれていてスパイスとし ておもしろさを高めています。 映画化され有名になって、今更読むのは・・・と二の足を踏んでいる方も多い かと思います。そんな事は気にせず、とにかく読んでみる事をお勧めします。 犯人の描き方が中途半端で魅力が感じられない
現役捜査官がテレビに出演するという、劇場型捜査を描いた
作品。この作品自体が劇行型と言うか映像向きである。 主人公が県警本部長から劇場型捜査を言い渡される場面など、 映画の一シーンを見ているようだった。実際映画にもなっている。 物語としては面白いのだが、残念ながら犯人の描き方が中途 半端で魅力が感じられない。既に終息している事件の掘り起こし のような形となり、主人公と犯人の手紙のやり取りも今一つ盛り 上がらない。逆に前半で登場した『ワシ』の方が存在感があった りする。 前評判が高かったのでやや期待はずれの感もあるが、作者 のストーリーテラーとしての才能は遺憾なく発揮されており、 エンターテイメント作品としては充分楽しめる一作である。 劇場型捜査は拍子抜け?
背表紙の「史上初の劇場型捜査が幕を開ける。」とのキャッチコピーにつられて
読んでみました。 期待していたものとは違いましたが、結構面白かった。 ミステリーとしては多少のもの足りなさもを感じましたが、上司の裏切りや 老刑事や被害者家族との心温まるやりとりなど、つい先を読みたくなること請け合いです。 最後に不満だった点をひとつだけ。 犯人、弱すぎます。もっと憎らしく、かつ、タフであって欲しかった。 おもしろかったです。
連続児童殺人事件が横浜で発生し、懸命な捜査にも関わらず、全く犯人の手がかりがない。
捜査本部では、テレビに捜査官を出演させ、犯人を誘い出すというこれまでにない手法をとることにした。 その出演役として、白羽の矢が立ったのは、過去に記者会見でプッツン事件をおこして、左遷されていた巻島警視であった。 下巻も含めたレビューです。 いろいろと突っ込みどころもありますが、まあ、おもしろかったです。 警察内部の縄張り争いや、出世競争、裏切りなど、ごちゃごちゃしたものも描かれていて、本当はどうなんだろう、こんなものかもなと思いながら読んでました。 最後のオチは、やや犯人像に物足りなさも感じましたが、雫井 脩介で有名な「虚貌」のオチに比べたら、順当な納得できるオチでした。 単純に楽しめて良かったです。 上巻だけ読んだ感想
正直まっっったく面白くない
この本の売りで帯にもドーンと書いてある「劇場型犯罪VS劇場型捜査」 これが上巻のもう終わろうかという辺りでやっと始まる しかも主人公が1回テレビに出演しただけで犯人に動きがあったわけでもない そこで上巻終わり こりゃないだろと思いました ここまで読んだので当然下巻も読みます もしかしたら下巻で一気に面白くなるのかもしれません それでもこの上巻はないでしょう 退屈で退屈で仕方ありませんでした 警察と犯人との一瞬の隙も許さないような心理戦を期待してたんですが見事に裏切られました 本当は★1つで十分ですが下巻に期待というこで★2つ
犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)を見てみる
クリエーターは「雫井 脩介」です。 この商品を買った人は他にも「犯人に告ぐ 下 (2) (双葉文庫)」、「虚貌〈上〉 (幻冬舎文庫)」、「虚貌〈下〉 (幻冬舎文庫)」、「火の粉 (幻冬舎文庫)」、「臨場 (光文社文庫)」、などにも興味を持っています。 犯人に告ぐ
レビュー ![]() 「震えて眠れ」にしびれます
面白くて一気に読みました。
スピーディーで最後まで飽きさせません。 主人公巻島が不器用すぎて痛々しいです。 無理解な外野からの批判も意に介さないような超然とした雰囲気で、ただ事件解決のために全力を注ぎます。 でも内心痛みを感じていないわけじゃない。 だから津田長や本田、被害者の会、家族など、巻島の数少ない理解者の存在がほっとさせてくれます。 津田長が、植草に対して言うセリフ。 「人を叩きすぎちゃいけません。叩けば誰でも痛いんですよ。叩いてもこいつは痛くなさそうだからと大丈夫だろうと思っても、それは相手が我慢してるだけなんですから。」(趣旨) 巻島を心から理解してこそ出てくるこの言葉に、なんだか胸を突かれたような気分になりました。 人と接する上ですごく大事なことだと思います。 残念なのは最後事件解決した後の周囲の状況が書ききれてなかったことです。 主人公巻島にとっては事件が解決され、過去の自分自身のわだかまりが乗り越えられれば外野の声は多分どうでも良いことなのだと思いますが、読者はすっきりしない!! 植草に関してはスッキリしましたが、テレビ局とか曽根とかが巻島を賞賛するシーンとか犯人が巻島に負けを認めるシーンとかちゃんと見たかったです。 なので星一つマイナスで。 ドラマなら……
この作品は、映像になってこそのものだと思う。視覚によってならばインパクトを与えられるであろうシーンが多々あるため、文章で楽しむには少々動きに欠けるように感じられた。
また「劇場型捜査」がテーマのためか事件の手がかりそのものが少なく、登場人物の推理があまり描かれない(推理をすることはあるが思考描写が推理小説的でない)ように思う。 しかし、クライマックスは非常に迫力があり、キャラクターの魅力も相まって素晴らしい完成度となっていた。 ごめんなさい
とても丁寧な文章で人間が描き出され、正座して読みたくなるなーと思ったのですが、ストーリーについては、正直なところ、最初から最後まで首を傾げながら読んでしまいました。最初のほうの失言もちょっとやり過ぎでありえないという気がしてしまい、そのあと、警察が犯人逮捕のために民放一社の番組に出つづけるというのも理由が納得できず、無茶にしか感じられませんでした。そして、視聴者受けするからと公務員が高級ブランドのスーツを着てテレビに出るというのも、視聴者に嫌われるぐらいでいいという言動も……。最後には納得させてもらえると思ったのに、あのオチでは。最後に放った犯人へのメッセージも、個人的にはダサイと思ってしまいました。
「逮捕はもう時間の問題だ。逃げようと思うな。今夜は震えて眠れ」
幼児誘拐事件の身代金受け渡しの現場で犯人を取り逃がした事により人質を殺害され、なお記者会見の場で失態を犯し地方へ左遷された神奈川県警元警視・巻島史彦!
かつての上司であった警視監・曾根要介の引き抜きにより、川崎男児連続殺害事件――通称“バッドマン”事件――の特別捜査官を任され、テレビを通じて“バッドマン”との劇場型捜査の攻防を描いた警察小説である。 昨年、WOWOWが新たに立ち上げた劇場用映画レーベルの第1弾作品として映画化(監督:瀧本智行、主演:豊川悦司)により、公開 (07.10.27) されて話題を呼び、私自身も映像から本書を手にした次第である。2005年の大薮春彦賞や週刊文春や週刊現代でも1位に輝いた本書は大変読み応えのある力作であり、十分に堪能した。 主人公・巻島や上司・曾根以外にも巻島の腹心であるベテラン刑事・通称“津田長”こと津田良仁(映画では笹野高史氏が好演!)や同じく巻島を信頼する部下・本田明広、キャリア組で曾根警視監の甥にあたり、腹に一物のある刑事総務課長・植草壮一郎(映画では小澤征悦氏が憎々しげに熱演!)など一癖も二癖もある登場人物たちが一つの事件のなかで錯綜する展開が面白い(特に捜査情報を元恋人であり、ライバル局の女子アナである杉村未央子に漏洩する植草課長に対し、巻島・津田・本田の3人が罠を仕掛けるところが秀逸であり、また植草が映画ほどあざとくないのも印象的)。 最後に犯人を追い詰める巻島のテレビ発言のシーンが印象に残りました。 「逮捕はもう時間の問題だ。逃げようと思うな。失踪した人間は真っ先にマークする。今夜は震えて眠れ」 犯人よ、今夜は震えて眠れ
「犯人よ、今夜は震えて眠れ」
見出しに書かれたこの言葉に惹かれて読んでみました。マスコミを利用しての犯罪捜査。警察内部での障害。様々な思惑が交錯する中で、ただただ信念を貫いて捜査を続ける巻島管理官。 警察組織の描写も細かくてその分野に興味がある人にも面白く読めるかと思います。 文章量は割と多めです。 でも読んでみる価値はあるかも。 映画化もしていますが、映画を観るよりは原作本の方が面白いと思いました。
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