季刊 真夜中 No.2 2008 Early Autumn
季刊 真夜中 No.2 2008 Early Autumnを見てみる
この商品を買った人は他にも「季刊 真夜中 No.1 2008 Early Summer」、「季刊 真夜中 No.3 2008 Early Winter」、「モンキー ビジネス 2008 Summer vol.2 眠り号」、「映画論講義」、「和解せず/マホルカ=ムフ (ストローブ&ユイレ コレクション) [DVD]」、などにも興味を持っています。 ミュージック・ブレス・ユー!!
レビュー ![]() ミュージック・ブレス・ミー
アザミは、多分小学生の時にアスペルガー障害の疑いありとでも言われたのだろう。だが、「普通」や「標準」なんてどこにもないように、アザミはただアザミだ。アザミの通う高校は、周りのみんなが当たり前のように四年制大学に現役合格してしまうことから、地方の進学校らしい。
常にイヤフォンをつけ、マイナーなアメリカン・パンクを聴くアザミよ、その鎧は君をこれからもずっと励まし続けてくれるよ。音楽の話なんか誰とも合わないし、バンドなんてもう絶対にメンバーと嗜好が合わない。でも自分に大切な物があるということは、とても重要なことだ。私はトノムラだった。だから保証する。音楽はずっと君を勇気づける。音楽は君を祝福し続ける。 津村さんのこの小説は、オチもないしカタルシスも事件もないが、夢中になって読んだ。高校生が主人公だが、高校生の親くらいの年代だとグッとくる読み応えだ。私は小説の主人公の名にあまり意味を見いださない方だが、アザミはいい。とげとげした葉っぱ、一人だけやけに背の高い立ち姿、遠くからでも目立つ紫の野花。 「ほんなら、またね」
アザミ。高校3年生。「音楽について考えることは、将来について考えることより
ずっと大事」な日々を送っている。 髪は赤。メガネ。歯にはカラフルなゴムをはめた矯正器(もっともこれは、歯科医の強烈な 色彩のセンスといおうか。こんな歯科医がいたら楽しい!)。 背は高く、いつでもイヤホンを耳に突っこんでパンクロック三昧の女の子だ。 そんなアザミのおよそ半年ほどの軌跡。 どこへも踏み出せないまま、音楽に浸り、焦燥感もちらつかせながら 学校とバイトに紛れてゆくぐだぐだした日常。 大阪弁がリアルで、何気ない会話が活きている。 全部、日常のこまごました事象であり、心の動きであるのに ああ、どうしてこうも胸に突きささるのか。忘れ去られてしまう、一瞬の出来事と それに付随する思いを、こんなにも丁寧にそしてリアルになぞって、それが 読み手のなかに陰翳に富んだ軌跡を遺すのだ。 自分と他の友人との違いをアザミはゆっくり見つめる。 親友チユキの恋の行方、同級生のナツメさんやトノムラとの関わり、時々メールをやりとりするイギリスの女の子アニーなど、それぞれのエピソードがアザミ自身を 逆照射するものになり得ていて、読み飽きない。 チユキという子の知的なくせに、妙に熱い血を滾らせた小気味よい正義感は 忘れがたい。 もうひとつ、一見放任のようにみえる両親とアザミとの関わり方が印象的。 明らかにされてはいないが、どうやら学習障害と診断されるような行動癖があったことが ちらりと出てくるのだが、両親の、アザミが元気で今在るだけで充分良し、とする スタンスがいい。 そのただ中にあるときには決して見えない輝きを掬いとって、青春という 時間の無二の姿が、今の私には尊くさえ思えた。 せつない
高校3年生のそれぞれのスタートに向かっている一年
でもそれは別れにもつながっている 読み終わった時にはなんともせつない気持ちに させてくれる一冊です そして読み終わった後に本を見直すとカンバラクニエさんの イラストもふくめてとてもスッとした空気を 改めて感じさせてくれます
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クリエーターは「津村 記久子」です。 この商品を買った人は他にも「カソウスキの行方」、「婚礼、葬礼、その他」、「君は永遠にそいつらより若い」、「蟋蟀(こおろぎ)」、「鼓笛隊の襲来」、などにも興味を持っています。 カソウスキの行方
レビュー ![]() 独特の味わいに癒される。
第138回芥川賞候補作品というが、もし受賞していたら、へえ〜と思わされていたかもしれない脱力系。でも候補になったのも納得できる独特のユーモアと展開。仮想恋愛の記録に兵馬俑のノートってねえ、あなた! しゃちこばった人生論より、この小説を読んだ方が人生生きやすくなる人は多いはず。併録されている他の2作と合わせて、3作とも面白い!好き!
律義者は電子ガメの夢を見るか
三作の短編が収録されているが、その三作が三作とも、主人公が律儀だ。
「カソウスキの行方」のイリエは、好きだと仮定した相手、森川の 健康診断書のコピーや森川から借りたものを、 会社の経費で買った兵馬俑のノートに記録していく。 「Everyday I Write A Book」の野枝は、後輩なおみちゃんに自作の化粧水を 提供してやり、肌質の変化を携帯電話のメモ帳に入力している。 「花婿のハムラビ法典」のハルオは、恋人サトミから受けた不義理を数値化して 手帳にスコアリングしている。 律儀で、概ね善良な社会人が、生きていく上で被る世間との摩擦と、 いかに折り合いをつけるか。それは妥協というのではなくて、 工夫のような気がする。自分のできることをする。 独りよがりな自己犠牲であっても、 傷ついた者から同じように傷ついた物へのささやかな献身であっても、 惚れた弱みとしか言いようのない赦しであっても、 自己と他者のへだたりを踏まえた上での精一杯の関わりがあると思う。 どろどろとした恋愛感情を描いているわけではないから、 希薄な関係性に見えるけれども、なんだか、温かみを感じる。 思いやり、なんて書くと、ほのぼのしすぎだけれども。 「カソウスキの行方」で、イリエが同僚・藤村の息子に語りかけるシーン、 小児喘息の吸引機の思い出について。あそこがしみじみと好きだ。 随所に笑いどころが挟まっているのもいい。 「年金と介護について」の下りは噴いた。 三作ともバランスがとれていて、安心して読めました。 カソウスキの行方、気持ちの行方
津村記久子さんの作品を2作読んで思う事は、
おそらく怠け者やおちゃらけ者でもあり、 しっかり者でこだわり人間なのだということ。 なんとなく自分に似ていると思えてならない。 彼女の方が何倍も味のある人間には違いないだろうけれど。 プッと笑ってしまう箇所が多々あり、 物語の舞台も現実的で、 しかも主人公が同い年で。 楽しめた。 このくらいの年代って強くてもろい。 自分がそうだし、主人公もそうだったから けっこう自分は一般的なのだろうかと思ったけれど、 いや、おそらく私たちが少数派なのだろうと感じる。 女って男を求めるものだ。 男女の友情など成立するのだろうか? 長年疑問に思っていたことを読んでいる間中ずっと 考えていた。 成り立つならば、そういった相手が私の目の前に現れても おかしくないのに。 今に飽き好きだと思い込んでみる
平凡な生活の中で変化を求める為
好きでもないのに好きだと無理から思ってみる 空元気でも元気 の言葉の「好き」版だ テレビで人気の「あいのり」とはまた違った強制恋愛は 絶妙な心理描写が描かれ 二人だけの世界よりも 周りを大いに絡めた展開が見ものだ 基本ユーモアなので軽く読んでみてください
カソウスキの行方を見てみる
クリエーターは「津村 記久子」です。 この商品を買った人は他にも「君は永遠にそいつらより若い」、「婚礼、葬礼、その他」、「ミュージック・ブレス・ユー!!」、「モンキー ビジネス 2008 Fall vol.3 サリンジャー号」、「蟋蟀(こおろぎ)」、などにも興味を持っています。 |