博士の愛した数式 [DVD]
小川洋子原作の同名小説を映画化。タイトルどおり数学の「数式」が登場するのだが、できあがった映画は“理系”よりも“文系”の印象。全編に、メランコリックで心地よい空気感が漂っている。交通事故の後遺症で、80分しか記憶が持たない博士の元に、新しい家政婦がやって来る。やがて彼女の息子も訪ねて来るようになり、博士は息子の頭の形から彼をルート(√)と呼び、3人の絆は深まっていく。 物語は、成長して数学教師になったルートが、授業で教えるシーンと並行して進んでいく。「素数」「完全数」といった数学嫌いの人には頭が痛くなる単語も、博士のシンプルな説明で、すんなり耳に入ってくるから不思議。それは大人になったルートの授業でも同じで、演じる吉岡秀隆の真摯な教師ぶりに引き込まれるのだ。博士とルートのドラマには、阪神タイガースなどのネタを効果的に使用。ドラマチックな何かを期待して観ると肩すかしを喰らうが、ほんのりと温かい後味は得られる。それは小泉堯史監督の持ち味でもある。(斉藤博昭) レビュー ![]() 男と女の関係式の多様性
原作を読んでいないのだが、綺麗な風景の中で織りなされるヒトとヒトとの関係性が見事であると思った。エンディングのクレジットでその風景のほとんどが長野県であることを知り、南木さんの映画化された「阿弥陀堂たより」の風景も確かこんな感じだったかなという記憶が蘇った。主人公の博士を寺尾聰が演じるが、阿弥陀堂だよりも確か寺尾さんであったと思う。実にすばらしい演技である。自分が知っている寺尾聰は大学時代にはやった「ルビーの指輪」の歌手であり、いろいろな想い出が詰まった曲でもあった。
虚数を使った数式から導き出される男と女の物語、モラルという世界では許されえない関係の二組(義姉と博士、家政婦さんとして働く女性とその子供(ルート))の間の関係式。 一つの恋があれば、ひとつの数式が導きだされ、男女の数だけ違った数式があるのであろう。そしてその数式は人間の関係性の中でいかようにも展開されていくでもある。 詩的な映画。どうも「金髪の草原」とダブるのが・・・
小泉組とは、イコール黒澤組の流れを汲む一派である。ゆえに全体のイメージは黒澤明の晩年の作品を彷彿とさせる、詩的な作品となった。物語は現実的でなく、どちらかというとファンタジーと言えるべきもので、最後まで飽きることなく観れる水準ではある。本来なら4つ星でいいのだが、冒頭のシーンからファンタジックなラストまで、どうも犬童組の佳作「金髪の草原」とダブる感じがあって、1つマイナスとした。深津絵里の演技は素晴らしく、寺尾聡も重厚な芝居で応える。でもそれも池脇千鶴と伊勢谷友介のそれとどうしても比較してしまうのだ。これも後から出たほうの宿命かもしれない。数学をモチーフにしていたのは面白かったけれど、それも原作あってのことだと思うので。あと特典映像がチープである(笑)。少なくともメイキング風景は入れてほしかったなあ。数学研修はどちらでもよいので、小泉組の裏側を観たかった。ロケ地MAPも紙じゃなくて映像化してほしかったし。ともあれ、作品自体はおススメです。
涼宮ハルヒも読んだにちがいない。
学を指向するということは、人を愛することと同じことだと教えてくれる映画です。
友愛数、完全数など、数にまつわる面白い話が一杯入っています。 ほのぼのとした話の中に、数学的な話題が出てくるので、退屈しませんでした。 数学嫌いの人でも、数学にこんな面白い面もあるかという具合に、数の楽しさがにじんで来るのではないでしょうか。 最後に、オイラーの公式のおもしろさを教えてくれます。 ps. オイラーの公式がでてくる、涼宮ハルヒも、この本を読んだかもしれない。 深津さん綺麗。
実にほのぼのした映画です。
深津さんは凄いなぁ。喋りもそうですが、些細な動きや微妙な表情の変化が実に巧みな女優だと思う。素人目でも良くわかります。2回目はその辺をよく注目してみてみるのもいいと思います。 さんまさんもその演技に感心してたっけ。 キャストが少ない分、濃密で配役もいい。 博士のシンプルな生き方に共鳴。
博士は交通事故により、記憶が80分しかもたない。
その分、「地の自分」というのが見えてくるが、博士のそれは 数学や数字を愛する心と、子どもへの深い愛情に満ち溢れている ものだ。子どもを心から愛する姿、数学の魅力を伝え、それに 感化されていく家政婦とその子どもである「ルート」。 そんな姿を見て、感動と共鳴を受けた。 自分も博士のような人から数学を教わりたかった、という気持ちや、 家政婦の心の優しさ、真心が琴線に触れた作品だった。 ただ、後半の謡の部分のシーンは長すぎたように感じたので、 ☆4つとした。
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レビュー ![]() 自然に抱かれる人生にも静かで重厚なドラマあり
物語は、淡々と過ぎる。
特別な解説もなく、ただ中年にさしかかった夫婦が田舎に帰省する様子を、まるで環境ビデオと見舞うばかりの風景の描写が形作る。 何も起こらず、ただ淡々と過ぎて行くのかと思わせる前半にも、夫婦に忍ぶ影、人生の深遠が少し少し配されてはいるが。それでも、なにも物語らず、静々と進む様子は、一つ間違えるとあ〜あといって中座しそうな。 そんな、何も起こらない生活の進行が、中盤から後半になって、断然ドラマ化してくる。しかし、押しつけがましくも急変でもなく。当たり前的に、人には様々な出来事があるもんだと、心にしみてくる。 メッセージとしては、題名にもなっている「阿弥陀堂だより」が素晴らしく、90を越す年齢というだけでも、なにかあるに違いない人生の大先輩の、気負わない、しかし重い迫力のある言葉に、ただただ心が静かに洗われる。 日本映画もたいしたもんだ。 樋口可南子のフアンというだけで見てみた映画だが、これは大変な拾い物をした、秀逸な佳作であると思われます。 原作以上でもなく原作以下でもない
南木さんの原作は読んでいて非常に感動した作品であった。
なので、映画化されたものにそれほど期待はしていなかったのであるが。。。 原作以上でもなく原作以下でもない。素晴らしい映画であった。 南木さん自身の病を元に作られた小説だとは思うが、人の生と死を淡々とそして生き生きと映画の中に再現されていた。 棚田の春夏秋冬を通して、移り行く季節を進めていく。 あふれ出る涙は止まらない。 しいて言えば、阿弥陀堂の便所を直すシーンの落ちが無いのが残念である。 原作をはるかに超えた感動
私はこの作品が好きで、すでに6度目の鑑賞になりますが、相変わらずドライアイということを忘れさせてくれるこの作品に見入っていました。
私がこの映画に共感を抱くのは、色々な要因があると思うのですが、ひとつはこの原作者である南木佳士さんが同世代(ポスト団塊世代で)、信州の山奥に生まれ、東京で(国立市)の高校を出て、秋田大学医学部に進んだひとです。小説を書きながら、佐久総合病院に勤務するお医者さんであるということにあります。ここに出てくる樋口可南子の演ずるパニック障害の医師の側面も持っているし、寺尾聡が演じた小説家の側面も持っており、両者は南木さんの分身でもあるわけです。でも原作以上に小泉堯史監督によって、感動的な映画に仕上がりました。 1911年生まれの北林谷栄が主人公だ。涙、涙。
『阿弥陀堂だより』を書いていたのは、声がでないさゆりちゃんであった。
出演者は今の日本で最高の役者。北林谷栄、寺尾聡、樋口可南子、田村高廣、香川京子ら。 1911年(明治44年)生まれの北林谷栄が主人公ですよ!! 阿弥陀堂をまもっている。 民芸で、私たちを感動させ続けてくれた女優。北林は宇野重吉の息子を素直に愛している。 麗しい。 北林の台詞をかみしめたい。 「さゆりちゃんの手術は成功しましたよ」と報告する寺尾。 「よくなったの...本当によくなったの...よかった。なんまいだぶつ...ああ、よかった。奥さんによろしく...よろしくなおしてくれてありがとう...まって、まって。優しくて利口な女なんかは滅多にいないのだから大事にしないといけないんだよ」 感謝の気持ち いっぱい。 信州の四季と人生
信州の過疎の村を舞台に繰り広げられた作品で、原作を忠実に再現しながらも、信州の四季の美しさを見事に映像化している所がこの作品の醍醐味かもしれません。
日本の古くから伝わる四季折々の風景と行事、それに照らし合わせるかのように主人公の夫婦をはじめとする登場人物おのおのの人生。全てが少し儚いものの、それを上回る美しさで満ちていると思います。 個人的には原作には登場しなかった「先生」の生き様がとても素敵で、潔かったと思います。 映像化された作品は原作を下回る、という通説はこの作品には当てはまらない、少なくとも原作に劣る部分は視覚効果や演出で十二分に補っているように感じられます。 あと、最近やっと世間での認識が深まりつつある「パニック障害」という精神疾患についても学んで頂けると思います。同じ疾患に悩まされている方は多分皆さんの想像を超えて多数存在しています。 その方々に対する偏見などを無くすための教本としても評価できるのではないでしょうか。
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レビュー ![]() 日本兵はすばらしかったということだ。
映画作品としてみました。作品としてみた場合岡田中将の静かな心の内を表現していたのであれば、全体としての雰囲気はよく作られていたと思います。戦勝国による裁判ですから、結局は有罪はハナから確定しているのです。その中で私心を捨てて部下を思い遣り一貫した主張を続けたところに岡田中将の人としての誇の在り方、潔さを感じました。
全編を通して淡淡としていましたので、娯楽としては少し退屈かもしれません。 歴史としてみた場合、冒頭の画像で南京の捏造写真と言われている写真なども見かけたので、史実としては、どこまで正しいものかどうかは分かりませんが、概論としては非常に良いテーマだったかもしれません。いわゆる大東亜戦争に於ける日本の戦犯ですが、とにかくA級戦犯をテーマにしたものが、左右の論戦のテーマになっていて、なかなかB級C級について知る機会が少なかったので、ひとつのきっかけとしてよかったと思います。 藤田以外の演技がヘタ
冒頭の実写映像がひどい、これは史実ではなかったり、説明が足りなかったりです。
重慶爆撃の映像も、まったく関係ない映像をもってきて重慶爆撃と言っているのは、この映画を作製したときにも判明していた事実です。都市爆撃、絨毯爆撃の源泉をどこにもってくるかもゲルニカ以前の問題には触れていない。ナレーターもちょっとヘタですね。冒頭から史実かどうかごちゃごちゃの説明だと(映像なだけにインパクトがあるだけやっかい)ドキュメンタリーなのか、他も部分はどうなのか??になってしまうだけに残念。 ちなみに東京大空襲の立役者であるルメイには、戦後、日本政府が勲章を授与してます。(なんじゃそりゃ) 清々しい日本人
この映画を見るまで、岡田中将のことは知りませんでした。太平洋戦争を指揮した日本人は、概ねその組織の中にいて自らの責任について自覚をしている人としていない人の2種類に分けられるように思えます。これは、戦時に関らず平時の組織人にも言えることなのでしょうけれども。岡田中将のように自らの責任を論じる人は当時は珍しかったので、後世にこの話は残されたのではないかと思いました。多くの軍人が敗戦と同時に自己保全を図ったころ、潔く清々しさを貫いた人の最後の瞬間を描いたドラマでした。殆どの場面は軍事法廷でのものです。この作品を見ていて、戦後掌を返したように日本はアメリカを受け入れますが、成るほどと思います。軍国主義、全体主義の時代を生きた人から見て、アメリカ人のもつ敗戦国の人に対しても礼節や尊厳を尊ぶ正義感、フレンドリーな微笑みなど、その後日本人が憧れたアメリカが既に見受けられます。アメリカと日本は、良い取り合わせのような気がいたします。鎌倉時代の武士は、清々しさを重んじたと聞きました。岡田中将の清々しさはアメリカの人たちの心を動かし、日本の武士道が理解されたのだと思います。
佳作だ、しかし・・・
藤田まことの渋い演技と「泣ける」という意味では佳作。他方、大岡昇平の原作を読んだ身としては、論戦としての「法戦」部分=法廷闘争における緊張感の盛り上がりが、今一つ欠けていたような気がする(贅沢な要求ではあるが)。どちらにウエイトを置くかで、評価は人さまざまではないだろうか。
これも映画です
敗戦。
元東海軍司令官・岡田資中将は、戦犯としてその罪を問われた裁判を”法戦”と呼び、 名古屋大空襲時におけるアメリカ軍B29の無差別爆撃に対して、徹底的にその残虐性を問い、法廷の場でアメリカ軍の非道さを追求した。 また、一部の撃墜されたB29の米軍搭乗員処刑の責任は、すべて指示を下した自分にあると主張。 部下を守り、信念を曲げることなくその責務を全うした。 その潔い姿は、演じた藤田まことの姿に十分に乗り移っているように見えた。 自己の信念と、その生き方。 自分は、それだけの信念を持って生きぬくことができるだろうか。 人間は必ず死ぬ。 早いか遅いか。 その時の生きざま。 覚悟。 そんなことを考えさせる映画でした。 これも映画です 映画には本当にいろいろなものがあると思いました。 楽しい映画、ギャグもいいですが、 映画って本当にいいものですね ^^
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クリエーターは「小泉堯史」「藤田まこと」「富司純子」「ロバート・レッサー」「フレッド・マックィーン」「リチャード・ニール」「西村雅彦」「蒼井優」「田中好子」です。 この商品を買った人は他にも「母べえ 通常版 [DVD]」、「チーム・バチスタの栄光 [DVD]」、「歓喜の歌 [DVD]」、「陰日向に咲く 通常版 [DVD]」、「長い長い殺人 [DVD]」、などにも興味を持っています。 阿弥陀堂だより [VHS]
レビュー ![]() 芸術写真・音楽・北林谷栄
すごく美しい画面(1シーン1シーンが芸術写真、石仏も美しい)
美しい物語と画面とにぴったり合った心に沁み入るような音楽。 そして、何よりも、90歳を超えるという北林谷栄さんの存在感。 「お盆になると亡くなった人たちが阿弥陀堂にたくさんやって来ます。 迎え火を焚いてお迎えし、暗くなるまで話をします。 話しているうちに、自分がこの世の者なのか、
キネマ旬報 2008年 3/1号 [雑誌]
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