十二月の旅人
レビュー ![]() 思い出のアルバムでした
前々作「Little Concert」があれほど名作だったのに、前作で無謀な方向転換、でもやっぱりファンはついて来なかった、ということで再度従来のコンセプトで作られたのが本アルバム。
実のところ最初の4曲は快調なのですが、どうも以降は息切れしたような感がしないでもありません。 やはり、名作アルバムとは言えないか・・・。 それでも私はこのアルバムジャケットが本当に好きでした。北欧風の美しい田園風景、その夕暮れ時に一人たたずむ裕美、何と素晴らしいジャケットなのだ、まるで名画だ芸術だ、と一人で感激しておりました。そして、25年ぶりに押し入れの奥深くからLPを取り出し、もう一度よーく眺めてみると・・・ガーン「合成じゃん」。そして裏面も。 LPを買ったあの頃、自分がいかに純粋だったのかを改めて痛感したものでした。 「さらばシベリア鉄道」は本当にいい曲だと思うのですが、アレンジが何となく安っぽいというか、特に全編に流れる、あのタッタカ・タッタカ・タッタカ・・・と続く金管(?)のリズムは何とかならなかったものか。 できたら今でも遅くはないので、再録音してもらえないものかと切望しております。 (思い出のアルバムには違いないので★5つ) 海に降る雪
もともとは「海に降る雪」のタイトルで発売予定だったが、シングル曲「さらばシベリア鉄道」を急遽6曲目に配した。そのため、アルバムの統一感が散漫になってしまった。1〜5曲目までは新人作詞家の小此木七枝子(来生えつこ主宰の作詞スクールで最優秀賞をとった)を起用し、作曲は網倉一也、編曲は萩田光雄。萩田光雄のアレンジは全曲にストリングスをぜいたくに使い、流麗で美しい曲が多い。7〜11曲は、作詞・山川啓介、作曲・浜田金吾、編曲・飛澤宏元が担当しており、全曲にホーンセクションを多用し、リズムを強調したジャズ風の仕上がりになっている。
君は近視、まなざしが読みとれない
このころの太田裕美は、非常に難しい立場であった。価値的には「さらばシベリア鉄道」しか聞けない。しかし、これを聞いてシベリア鉄道なんか乗ったらそれこそ地獄の世界である。
ここでまたしても松本隆の詩の世界に填ったまま抜け出せない太田裕美がいるのである。他の曲は聞いても仕方がない(あまり意味はない)。多分、新しく太田裕美のファンになる人はいないだろう(勝手に決めつけてごめん)からこのコメントに異論は多いだろうが、それでも「さらばシベリア鉄道」はスタンダートなナンバーとしてカラオケに入っているので、ここを評価するべきだろうと考える。 無名の作詞家を起用した意欲作でマル
記憶によれば、大滝詠一の「さらばシベリア鉄道」を除いて、一人の作詞家(名前忘れた)の詩で、アルバム全曲を作ったという意欲作。とりわけA面(LP)がよく、「海に降る雪」、「少女憧憬」など詩も曲も名曲揃い。アレンジ、演奏もグッドで、ストラト系ハーフトーンのギターソロが耳に残る。気持ちよいこと請け合いです。太田裕美のベスト5に入る一枚です。なお、アルバムタイトルは、「さらばシベリア鉄道」の中の歌詞の一部であると同時に、アルバムコンセプトというか、詩がそれに沿っていて、興味深いです。名作。
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