あゝひめゆりの塔 [VHS]
太平洋戦争末期の沖縄本島で臨時看護婦部隊として従軍し、壮絶な玉砕を遂げた、沖縄師範学校の女子生徒たち。この通称「ひめゆり部隊」の乙女たちの悲劇的な最期を描いた戦争映画である。冒頭とラストには68年当時の若者風俗を織り込み、そこから戦時中を回想していく構成になっている。 吉永小百合や和泉雅子など、時の日活青春映画スターを総動員していることもあり、叙情的描写が印象的だ。その一方で、戦闘シーンになるとダイナミックな迫力がひときわ目につく。のちに『トラ・トラ・トラ!』や『二百三高地』など、戦争大作の第一人者となるアクション派、舛田利雄監督ならではの持ち味だろう。 なお、ひめゆり部隊を主題とした映画は、53年『ひめゆりの塔』以来、本作を含め62年、82年、95年にも製作されている。(的田也寸志) レビュー ![]() 藤竜也が、梶芽衣子が!!
●単なる吉永小百合映画じゃない!!我らが梶芽衣子姐さん(当時太田雅子)も劇中幾度も見せ場を作る。冒頭のディスコ(!)のシーンに渡哲也、飄々としたおどけぶりが光る藤竜也など、日活のスター達がキラ星のようなみずみずしい演技を披露し疾走感あるストーリー展開に華を添える。●ドラマティックなエピソードの数々はダイナミックなアクション描写とも相まってそのどれもがリアル感・臨場感に溢れている。●ジメジメした悲しい映画ではなく、エネルギーやヒューマニズムを感じさせる演出。最後の最後まで必死で生き抜く女学生達の姿には共感せずにはいられない。●舛田利雄監督の、生き生きとした表情や大迫力の戦闘シーンを追う動きのあるカメラワークや、2時間強をあっという間に感じさせるテンポ良い編集は、この手の映画には得がたい「娯楽性」さえ感じさせる。
京極夏彦 怪 七人みさき [DVD]
レビュー ![]() グロテスクにし過ぎだよ
2001年8月リリース。京極夏彦原作・企画・脚本による、時代劇ミステリー第1弾。原作は『続巷説百物語』の『死神』だが、『続巷説百物語』を読まれた方は分かると思うが、『続巷説百物語』自体がこの『死神』めざして話が連なるように出来た作品なので、『続巷説百物語』全体を映像化したものとも言えるかも知れない。
このシリーズで一番感じるのは配役が皆、ピッタリだということだ。後に堤監督で2作、『嗤う伊右衛門』で蜷川監督が映像化しているわけだが、又市一人とっても原作のイメージに一番近いのはこの作品の田辺誠一だ(具体的には田辺>渡部>香川の順でイメージに近い)。おぎんなど遠山景織子>>>>>>小池栄子となる。ただし堤監督の映像化能力は卓越していて、表現力では堤>>酒井>>>>>蜷川と思う。 本作はちょっとグロテスク過ぎる。原作はここまでではないし、弾正のひどさがひどすぎる。もうちょっとなんとかならなかっただろうか・・・、なっただろう。本作のような大傑作こそ全く別の映像化能力に長けた榎木津氏のような人(!!!)に再度挑戦して欲しい気がもの凄くする。 京極版仕事人
京極夏彦が脚本等を担当するシリーズの第一弾。基本的には『続巷説百物語』の中核をなすエピソード『死神』が下敷きになっいるものの、むしろ時代劇のために書き下ろされたオリジナルストーリーと考えた方がよいかもしれない。『続巷説〜』で又一たちが展開する物の怪をキーワードにした完璧な仕掛けぶりと言うよりは、むしろ仕事人風のアクションありの娯楽作品に仕上がっている。ファンとしてはその辺にやや物足りなさも感じてしまうのだが、ここは素直に『京極版必殺仕事人』として楽しむべきであろう。ちなみに京極夏彦本人も出演して、独特の味を出しているのは必見である。
|