ベスト・オブ・ベスト/日本の名歌
レビュー ![]() う〜ん・・・
童謡が好きで、もっと色々覚えたくて購入。
買ってビックリ! なんと歌詞カードが無い。 CD中の、ある女性の方の歌い方がほとんど震えてるような歌い方で変。 声を震わしすぎで、歌詞も聞き取りにくくなってしまっている。 ボニージャックスのCDを持っているが、彼らの歌う童謡は、 このCDとは比べ物にならないほど上手い。 例えば「この道」の「ああ、そうだよ」の部分では、このCDでは「ああ」の部分が 悲しみの「ああ」に聞こえてしょうがない。 童謡を聴く側に、情景・懐かしさ・気持ちをうまく伝えるようにし、 童心にかえらせ、好奇心をくすぐるような歌い方をしないと、童謡は生きない。 この人の歌い方では、この人の歌い方(歌声)そのものは伝わるが、その他は何も伝わってこない。 「童謡」という存在を忘れてしまっているのではないか。 多分、この人は何を歌ってもこの歌い方なのだろう。 あまりにも変な歌い方なので、母に「この人の歌い方、どう思う?」と一曲聞かせたら、「疲れる」と言っていた。 日本の名歌 次世代へ歌い継ぐもの
瀧廉太郎作曲の「荒城の月」「花」「箱根八里」、山田耕筰作曲の「この道」「からたちの花」など日本の古典的歌曲を始め、珠玉の作品を集めたと言える歌曲集です。この4枚組に収められた115曲は、後世に歌い継いで欲しい曲が沢山含まれていました。懐かしの小学唱歌や童謡も多く含まれていますので、幅広い年代に愛される企画だと思いました。
収録されている声楽家も素晴らしいメンバーでした。立川清登、伊藤京子、中沢桂、松本美和子、澤畑恵美、中村邦子、木村宏子、中村健、永田峰雄、斎藤昌子、吉田浩之、本宮寛子、そして関西を中心に活躍しながら、今や全国的な活動を広げている三原剛、畑儀文、そして日本の声楽界における重鎮・畑中良輔の「沙羅」の名唱を聞くことができます。ここに収録された何人かの声楽家の声を聴きましたが、CDとして聞くとそれぞれの発声法における個性の違いが結構分かり、新たな発見がありました。 録音年代が書かれていません。結構幅広い年代にまたがっているとは思いますが、聴感上の支障はなかったですね。ピアノ伴奏は、声楽、合唱伴奏に多くの録音を残している三浦洋一、浅井道子によるものが大半ですが、他に青島広志、塚田佳男、藤井孝子という名も見えますので、安定した音楽が展開されています。 これらの録音の貴重さは、何人かの方がすでに鬼籍に入られていることから日本の声楽家の歩みという点から見ても歴史的な価値を見出します。 全曲とも解説が書かれていますし、小山晃氏による声楽家の紹介も詳しいものでした。ただ出来れば伴奏のピアニストの紹介があっても良かったかな、と愛好家の一人として思います。
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クリエーターは「オムニバス(クラシック)」「松本美和子」「中沢桂」「中村邦子」「立川清登」「伊藤京子」「木村宏子」「三原剛」「中村健」「永田峰雄」「斎藤昌子」です。 この商品を買った人は他にも「瀧廉太郎作品集」、「東敦子の日本歌曲」、「中田喜直歌曲集」、「落葉松~小林秀雄:歌曲/ピアノ曲集」、「日本名歌110曲集(1)」、などにも興味を持っています。 瀧廉太郎作品集
レビュー ![]() もっと多くの人に聴いてほしいCD
このCDは、学生時代に1度購入したのですが、訳あって手放してしまい、今回再度手に入れました。滝廉太郎のあふれるような才能が刻印された、貴重な盤です。特におすすめなのは、組曲「四季」の中の「納涼」。子供のころ、夏の夕暮れに浜辺で遊んだ情景が生き生きとよみがえってくるような、本当に素晴らしい曲です。この曲は、私の宝物の1つです。立川澄人の「荒城の月」が聴けるのも貴重(やはり立川澄人はうまい)。
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クリエーターは「オムニバス(クラシック)」「斎藤昌子」「中村邦子」「平野忠彦」「立川清登」「中村健」「中村浩子」「木村宏子」「瀧廉太郎」「東くめ」「三浦洋一」です。 この商品を買った人は他にも「滝廉太郎―夭折の響き (岩波新書)」、「ベスト・オブ・ベスト/日本の名歌」、「荒城の月のすべて」、「わが愛の譜 滝廉太郎物語 [DVD]」、「渚にて [DVD]」、などにも興味を持っています。 こどもとききたい童謡~うつくしい日本のうた~
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クリエーターは「童謡・唱歌」「小鳩くるみ」「古賀さと子」「ひばり児童合唱団」「安西愛子」「ビクター児童合唱団」「中村邦子」「馬場祐美」「森の木児童合唱団」「東京混声合唱団」「杉並児童合唱団」です。 この商品を買った人は他にも「こどもとききたい童謡~たのしい日本のうた~」、「こどもとききたい 童謡~たのしい世界のうた~」、「こどもとききたい童謡~うつくしい世界のうた~」、「〈COLEZO!〉よい子の童謡ベスト」、「〈COLEZO!〉みんなでうたおう 日本のうたベスト」、などにも興味を持っています。 東京物語 [DVD]
レビュー ![]() 冷めきった「ホーム・ドラマ」。
個人的には学生の頃に初めて見て以来、何度か観ているはずなんだけど、社会人になって親を失くしてから観た今回が一番印象に残った。(当たり前か。。)この映画の中の子供達の身勝手さ加減には本当に腹が立つんだけど、実際、それに近いことを犯してしまった経験を僕は持っている。そして、その後悔は二度と取り返しがつかない。
誰もがそれぞれにとって「家庭」という言葉に纏わる人生ストーリーを持っていると思うが、大抵の後悔やドラマは投影できるくらいリアルなストーリーにこの映画は仕上がっている。「ホーム・ドラマ」=「ほのぼの」という構図は、単に頭の悪いテレビ・ドラマ脚本家の一群が作った弊害であるということがよく分かる、どこまでも冷め切ったホーム・ドラマです。このやるせなさが、小津シネマの味なんですよね。 小津監督の映画は数多いけれど
小津監督の映画は数多いけれど、「東京物語」は「早春」と並んで最高傑作だと思う。かつて世界中の映画監督が集まって映画史上の10大名作が選ばれていた時に、必ずと言っていいほどその中の一つに選ばれていたのが東京物語だった。これほど日本的な映画でありながら、世界中の人々の心を打つのには、やはり親子の絆や、人間の情の厚さや脆さといった普遍的なテーマを現実的に、かつ淡々と物語っているからだろう。特にラストシーンは圧巻で、チャプリンの「街の灯」やキャロル・リードの「第三の男」に匹敵する名シーンだと思う。
蛇足になるが、最近、昭和を扱った映画が多い中で、CGも安っぽいメイクもない、本当の昭和がこの映画の中に凝縮されているというのも是非、昭和を知らない世代の人々には見て欲しいところだ。 最も愛する日本映画。普遍的な「日本人」の本質を鋭く切り取った傑作!
世界の人達が「日本人」をどう観ているか、そして「日本人の本質とは何なのか」その「正しい解答」がこの映画にはあります。
私は欧米の知人・友人から「明らかに日本人ではない」と言われていますし、私自身も「日本人失格者」だと自負しています。それ故、我が祖国での生活は厳しい。 しかし、小津作品「東京物語」を理解でき、共感できることが、私としては「日本人としてのアイデンティティー」だと信じています。 それ故、私の視点はあくまでも日本の外側にあります。 現在も未だ変わらない、普遍的な日本人特有の気質「裏と表の使い分け」が、残酷までに鋭く描かれいる「恐るべし作品!」です。 ちなみに日本在住(奥様は日本人)のエジプト人にも日本人は「Two Face」だと言われています。 日本人の良い面と悪い面をあそこまで描いた作品は、希有な勇気ある作品と考えます。 それ故、日本映画が陥りがちな「綺麗事」「偽善」に走っていない。 素晴らしい監督の洞察力だと絶賛します。 それも声高にではなく、市井の人々の「日常生活」を通して、静かに、淡々と描いた点も、ある意味では一本でした。 小津作品自体の芸術性が勝っているため、果たして、あの作品の本当の深さが国内で正当に評価されているのか・・・、疑問です。 あの映画を観る度に、日本人としては「痛い所を突かれた」との思いがあり、相当な辛口の映画だと感じます。 海外での高い評価は、それを見破った上での賛辞だと考えます。 私は5回以上観ていますが、日本亡命前と帰国後とでは評価が異なりました。 かつ年をとればとるほど、その「深さ」がわかり、もう今なんて泣けてきます。 「哀しい」からではなく、小津監督から「それが良くも悪くも、我が祖国日本であり、日本人なのだよ」と言われているような気がして。 私は、それを肯定も否定もせず、あるがままに普遍的な真実として、やっと受け止めることができるようになりました。 冷徹な視点で、優れた「人間描写=日本人描写」をしたこと、日本人であるが故に難しい主題に敢えて真正面から取り組んだことに、心から敬意を表します。 私にとっては、小津監督の美意識の高さと鋭い洞察力が融合した奇跡的な作品として「東京物語」は、「我が生涯の一作」となりました。 世界に誇れる「最高の日本映画」だと信じます。 ちなみに、次点はやはり黒澤監督の代表作「七人の侍」だったりします。こちらこそまさに、国境を越えて世界中の市井の人々や無名の独立系監督達から愛されている作品です。 半世紀前の日本人と日本
この映画を観る前の認識は、
「小津安二郎の最高傑作で、世界の歴代映画ベスト100をやると必ず入る映画」 でした。 パンアップの切り替えを多用とか、コンテを切ったとか、50mmのレンズだけを使ったとか、キャメラを低い位置で固定とか、そういう技術的な話は置いておきます。 まず、半世紀前の日本人と日本を観ることが出来ます。(それに、大好きな尾道が舞台。) 戦後8年目(1953年)に公開された映画ですが、もうこの時点で核家族化による大家族の崩壊が描かれています。 熱海で相模湾を眺めている老夫婦のショットの物悲しさ。 あの黄昏っぷりは、本当に心苦しくなる。 笠智衆が 「あんたが一番わしらによくしてくれた。ありがとう。」 と言って、原節子が泣くところでは、涙が出てきました。 今半世紀以上経って、この映画を観て理解できない日本人は、かなり多くいると思います。 この映画を日本人が観る時は、ヴェンダースの「東京画」と併せて観なくてはいけない。 親の心子知らず
海外での評価も高い小津安二郎の代表作『東京物語』をNHK・BSで再見した。いわゆるホームドラマのパターンを形作ったといわれるローアングルと、独特の空気感を産み出す切り返しショットは、小津作品と一目でわかるオリジナリティ。尾道の老親(笠智衆、東山千栄子)が東京に住んでいる子供たちの家を訪ね歩くといった一見平凡な風景の中に、核家族化に伴う親子関係の分断という現代にも通じるえぐいテーマが何気なく据えられている。
町医者(山村聡)の長男宅に泊まっても孫には避けられるし、長女(杉村春子)が営む美容室ではあからさまに邪魔者扱いされ、行きたくもない熱海へ追い出されてしまう。唯一2人に親切に接するのが、死んだ次男の嫁(原節子)という血のつながっていないあかの他人である。その原節子演じる紀子の存在によって、文句を一切口にしない老親に対する「親の心子知らず」な子供たちの冷たさがいっそう強調される演出は見事である。 映画は、とみ(東山千栄子)の急死という形で非常に後味の悪いエンディングを迎える。母の危篤で尾道の実家に久しぶりに集まった子供たちであるが、ここでもまた親の死よりも自分たちの仕事や家庭を優先させる血も涙もない姿が描かれる。近年『歩いても歩いても』や『トウキョウソナタ』など崩壊する家族関係をテーマにした作品を数多く目にするが、昭和28年(55年前)にその兆候をすでにかぎつけて映画化していた小津の慧眼には恐れ入る。 「孝行をしたい時には親はなし、さればとて墓に着物は着せられぬ」
東京物語 [DVD]を見てみる
クリエーターは「小津安二郎」「笠智衆」「東山千栄子」「原節子」「杉村春子」「山村聡」「三宅邦子」「香川京子」「東野英治郎」「中村伸郎」「大坂志郎」です。 この商品を買った人は他にも「晩春 [DVD]」、「麦秋 [DVD]」、「お茶漬の味 [DVD]」、「父ありき [DVD]」、「雨月物語 [DVD]」、などにも興味を持っています。 阿修羅のごとく [DVD]
昭和54年の冬、久しぶりに集まった竹沢家の4姉妹(大竹しのぶ、黒木瞳、深津絵里、深田恭子)は、70歳を迎える父(仲代達矢)に愛人と子どもがいることを知らされ、それを機にそれぞれが抱える人生の悩みに直面していく……。 かつてNHKで放映された向田邦子・脚本の名作ドラマを、『失楽園』『模倣犯』などの才人・森田芳光監督が映画化。昭和後期の女性たちの生きざまが、現代にも巧みに訴えかける普遍性を伴いながら、観る者に心地よい感動を与える秀作である。姉妹それぞれのキャラクター分けも非常にうまくいっており、また森田演出ならではの温かみあるユーモアセンスも好調。またTV版で次女を演じた八千草薫がここでは姉妹の母に扮し、まるで作品全体を包み込むような圧倒的存在感を示している。フレンチ・ジャズ『ラジオのように』を日本家屋の風景にかぶせた大島ミチルの音楽も快調。(的田也寸志) レビュー ![]() 深田恭子が
が失敗ですね。そこが残念。
大女優に囲まれながらも、特に際立った演技をみせたのが深津絵里だ。恋愛下手で落ち着いた女性というのはもはや手慣れたものといった感じだが強い女性という面もあり見事に演じていている。 森田監督×深津絵里が間違いないのは確実なのでまた撮って欲しいコンビです。 特典ディスクが正直期待ハズレでお値段はちょっと高いかなと感じました。2枚に分ける必要性がないんじゃないかってレベルです。 映画版はそれなりに良く出来ている
NHKで放送された和田勉演出のテレビ版は、テレビドラマ史上ベスト10に入るとも言われる傑作で、最初のトルコの軍楽から強烈な印象を残す作品でした。このような作品を敢えて映画版としてリメイクした森田芳光監督の勇気は賞賛に値するのかもしれません。テレビでは「パート2」も含めれば8回に分けて放送された内容を135分にまとめたので、ストーリーの展開が急すぎるところも有りますが、八千草薫(テレビ版では次女役を演じていました!)の母親、大竹しのぶ、黒木瞳、深津絵里の姉妹(深田恭子の四女は・・・でしたが)、加藤治子(テレビ版では長女役を演じていました!)のナレーションは良かったと思います。でも、この作品をご覧になったら、伝説のテレビ版も見たくなると思いますよ!
緊張感ない画面
森田芳光監督は、アマチュア映画から出て来た監督としては、デビューから昇り龍のように成功した人だった。
ぼくにはその最初の数年の数本しか面白いと思う作品がない。 その面白い数本はとても好きな作品なので、その後こんなに関心が持てなくなる監督も珍しい。 「それから」の頃のこと、「想い出の森田芳光」なんて題の、写真のたくさん入ったシネマブックを買ったぼくは、そのタイトルに不吉な思いがしたものだ。 彼自身がつけたろう奇妙なセンスの冗談タイトルが、その未来を予測していたのか。 「阿修羅のごとく」の映画として出来栄はちゃんとしているといえるのだろうし、破綻は全くない。 が、それは同じ文芸物の「それから」にあったような、原作に忠実に描きつつも新鮮に感じられた、あの映像の体験やシャープでありクールでもありながらのパッション、それはどこかへ消えてしまったとしか思えない凡庸な緊張感のない画面。 なにか制作発表のころの記事などを思いだせば、新しい視点で、とか、映画化の意気込みが語られていたように記憶していたけれど、そんなものはどこにもなかった。 映画にする必然性がなかったと感じられるのは「残念」と言うほかない。 そして、昔放映された和田勉演出のを観たものにとっては、その重量感ある作とは比較しようもない退屈なものだろう。 ひとり八千草薫さんの女優としての完成度を確認できるというしみじみした感動をのぞいては。 八千草さんは、役中の夫の浮気先の近くにさまよい出ての、その葛藤の心から倒れてしまうあの場面、森田監督の設定する平板な場所のなんとも魅力のない画面をしっかりと救ってしまった。 役者さんの魅力が大きく左右してしまうとはいえ、深津絵里さんのがんばりはうれしい感じではあるけれど、和田勉演出の娘たち四人の確かな存在の余韻は森田監督版にはない。 深田恭子
深田恭子がひどすぎる。
一人がこんなにぶちこわすなんてすごい。 学芸会。 つづれ織りのごとく
NHKの連続ドラマは年代的に知りませんが、ノベライズを読んでました。これを映画化した場合、エピソードやディテールを割愛せざるを得ないのは明らかなのですが、逆に脚本家や監督の腕のみせどころとも言えます。 本作も原作同様、昭和54年の東京を舞台に、父親の不倫の動向を縦糸に、4姉妹それぞれの恋や生き方等を横糸にして、複雑に絡み合いながら、母の死を経てゆっくりとほどけてゆく物語です。が、ほどけきらないところがタイトルの由縁でもあります。その辺脚本はうまく掬いとれてると思うし、キャストもほぼ完璧だと思います。演技演出過多な場面も見受けられるけれど、八千草さんの間際の表情や、遊園地の4機の乗り物を見上げる仲代さんの表情などは絶品。あと、「へのへのもへじ」も…。 向田邦子原作ドラマのリメイクと言うより、一本の良質な日本映画として是非観てみて下さい。
阿修羅のごとく [DVD]を見てみる
クリエーターは「森田芳光」「大竹しのぶ」「黒木瞳」「深津絵里」「深田恭子」「小林薫」「中村獅童」「RIKIYA」「向田邦子」「筒井ともみ」です。 この商品を買った人は他にも「阿修羅のごとく-全集- [DVD]」、「ゼブラーマン [DVD]」、「阿修羅のごとく (文春文庫)」、「容疑者 室井慎次 [DVD]」、「交渉人 真下正義 スタンダード・エディション [DVD]」、などにも興味を持っています。 あ・うん [DVD]
昭和10年代の東京・山の手。羽振りの良い中小企業の社長・門倉(高倉健)と安月給のサラリーマン水田(坂東英二)は見かけも性格も正反対ながら、硬い友情で結ばれている。しかし、女出入りの激しい門倉だが、実は水田の妻たみ(冨司純子)のことをずっとひそかに思い続けていた…。 向田邦子の同名原作を監督・降旗康男、撮影・木村大作、主演・高倉健の黄金トリオで映画化したヒューマンドラマの秀作。ここでの健さんは笑顔も多く、市井の等身大の姿をさりげなくも見事に演じきっている。また、健さんとは東映仁侠映画時代の盟友でもあった富司純子(かつては藤純子)が久々に健さんと共演することも大きな話題となったが、そのコンビネーションは完璧といってもいいほど。浅川朋之の情感あふれる音楽も絶品である。(増當竜也) レビュー ![]() ザ・映画スター!
いつもよりはコミカルな要素の多い役柄ではありましたが、それでも健サンは健サン。
「不器用ですから・・・」なかんじで相変わらずのワンパターン演技。 でもそれがやたらかっちょいいから困っちゃうのですね(笑)。 こまごましたあれこれの出来事こそあれ、およそドラマチックな展開もない淡々とした ある種退屈なお話であるにも関わらず最後まで飽きずに見られたのは、 坂東英二と藤純子の夫婦に付かず離れず関わる健サンたち三人の”不思議な距離感”が 面白かったこともあると思いますが、やはり決め手は”ザ・映画スター”高倉健の圧倒的な存在感だったのでは、なんて思っています。 ラスト近く、坂東の娘(富田靖子)に恋人が出征を告げて立ち去るシーンで、 「追いかけなさい!今夜はそのまま帰ってこなくてもいいから!」と富田の背を押すくだりの 演技は類型的なのかもしれないけどぐっときちゃいました。それもきっと健サンだからなのでしょう・・・。 友情のきわどい秘密
「あ・うん」を開幕から終幕まで見終えるのに半年以上かかってしまった。
理由は、退屈、だ。見るたびに眠くなり、あるいはこらえきれなくなって中断したからだ。 今回は意を決して、朝、まだ元気なうちに見た。そして、・・・感動。 眠かったのは高倉健の扮する門倉と板東の扮する水田の「友情」のシーンに拒否反応を抱いたからだ。しかし、そんな腐った前置きが終わるときわどい秘密が見えてくる。これで眠気が醒めた。 水田の妻(富司純子)を門倉は惚れていた。そして、その心を知っている水田も娘(富田靖子)も彼を許せていた。人の家庭に深入りすることは危険だが、健康の領域ギリギリまで門倉を水田家は招き入れている。門倉が仁義を守っていたからだ。やがて、門倉の妻(宮本信子)もその空域に突入し、娘にお見合いをさせる。こうして冒頭の退屈で小さな世界が拡大して物語が俄然おもしろくなってくるのだ。 時代は、南京陥落の昭和12年の春から冬までの一年間。水田家が東京に転勤し、ジャワ支店に転勤するまで。昭和の風景がとても美しい。 昭和初期、戦渦前夜の幸福な時代
向田邦子原作。隆旗康男監督。
昭和初期のきなくさい軍国主義が押し寄せる前の、つかの間の平和を謳歌する東京・山の手を舞台に、男の友情を軸にした二つの家族模様を描く人情ドラマ。 軍需景気の恩恵を受け、羽振りのいい中小企業の社長であり兄貴肌の門倉(高倉健)と、まじめ一筋の転勤族水田(板東英二)の子供のように無邪気な関係にしみじみ、水田の妻たみ(富司純子)の愛らしさがほっこりさせる。 募るたみへの想いを胸に秘めつつ、水田と家族ぐるみを続けるが、募る想いがやがて水田と絶交という最悪の選択でけじめをつけようとしてしまう。徹底的に避ける日々。その不器用さがもどかしい。 家族ぐるみの付き合いといっても、全てを開襟しているわけではない。「一番大事なことは人には話せない」。その歯止めがあるからこそ、徹底的に付き合える。その禁を破った時、関係はあっけなく崩れ去る。 物語は、最終的に仲直りし、ハッピーエンドを迎える。しかし、本当にそうだろうか。門倉のたみへの想いはおそらく変わらないだろうし、たみもそうだろう。この奇妙な三角関係は振り出しに戻っただけである。 そして、時代は本格的に戦争の道をひた走る。軍需景気の恩恵を受ける門倉も、ジャワ等海外進出していく会社勤めの水田も、苦難の時代を歩んでいくだろうことは想像に難くない。娘さと子の愛した青年もおそらく戦死だろう。 その意味で、これはつかの間の平和な時間に起きたドラマなのである。彼らには今後おそらく大きな悲劇が待ち受けている。だからこそ、何とも言えない悲しい気持ちがすぐ傍に横たわっているのだ。 戦争を知る向田だからこそ描ける、不穏な時代に一瞬輝いた閃光のような輝きを放っている。久しぶりに映画で涙した。 向田邦子の最高傑作。よき日本の世界
「戦友」という言葉に私たち世代では、リアリティは持ちえませんが、生死をともにした生涯の親友、肉親に近い感情をともにいだき生きていく。夜間の大学出であることを気にしながらも保険会社で懸命に生きていく水田と美貌の妻、そして家族。もう一人門倉は結婚するも子は無く、妻ともあまりしっくりいっていないが、軍需工場を経営し、金はある。そして、門倉は水田の妻に純愛といってもいいほのかな恋情を抱いている。男と男の友情、水田の娘とやがて学徒出陣する学生との純愛、富司純子演じる水田の妻の美しさとつましさ。こんな世界がありうるのだろうか、と思わせるほど、日本的な世界がそこにある。少し大げさに言うと、それは日本的なコミュニティとも言える。向田邦子さんはこうした世界を描き続けた。「あ・うん」はその代表作ともいえる。サンスクリット文字では「あ」は
すべての始まりをあらわし、「うん」はすべての終わりを意味する。つまり、森羅万象ということになるが、私は映画とNHKドラマのビデオを何度も何度も見てきました。そこに日本人のふるさとを感じからでしょうか。 とまれ、秀作です。ちょっと俗っぽくて、笑う高倉健の姿はスクリーンではほとんど見られません。そんな意味でも貴重な映画です。少なくとも私にとっては。 粋な世界
”粋”と言う言葉はもう死語になりましたが、この映画はまさに粋ですね。
高倉健さん演じる門倉、坂東英二さん演じる水田、そして富司純子さん演じる水田の妻、たみ。この3人の三角関係が細やかに丁寧に描かれています。 向田邦子さんの原作も素晴らしいですが、この映画はその向田ワールドをしっかりと踏襲しています。音楽も心地よく耳に入り、素晴らしいです。 邦画ファンだけでなく、洋画ファンや海外の人たちにも是非見て頂きたい日本が誇るべき作品の一つだと思います。
あ・うん [DVD]を見てみる
クリエーターは「降旗康男」「高倉健」「富司純子」「板東英二」「富田靖子」「向田邦子」「中村努」です。 この商品を買った人は他にも「鉄道員(ぽっぽや) [DVD]」、「冬の華 [DVD]」、「動乱 [DVD]」、「遙かなる山の呼び声 [DVD]」、「幸福の黄色いハンカチ [DVD]」、などにも興味を持っています。 |