バスジャック (集英社文庫)
レビュー ![]() 非凡な才能を感じる
偶然本屋で手に取った文庫本に過ぎなかったのであるが、本書とはとても良い出会いであった。
第一話の短編からとても不思議な気持ちにさせる短編集であり、一気に読んだ。 小学校高学年から中学生にかけて夢中になった星新一のショートショートよりはやや長い短編であったが、当時と似たような感動が蘇った。 読んでいる最中は頭の中がSF映画を観賞している状態になったり、不思議な現象を目の当たりにしたような錯覚に陥った。 しかも、著者はまだ若く今後の活躍が大いに期待できる。 僅か500円でとても楽しめるため、強くお薦めできる。
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クリエーターは「三崎 亜記」です。 この商品を買った人は他にも「ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)」、「魔王 (講談社文庫)」、「螺鈿迷宮 下 (角川文庫)」、「螺鈿迷宮 上 (角川文庫)」、「となり町戦争 (集英社文庫)」、などにも興味を持っています。 鼓笛隊の襲来
レビュー ![]() いま、いちばん新作が待ち遠しい現代作家
現実にはありえない設定なのに、言葉選びや話の進め方でリアリティを感じさせてくれる。「SF」「ファンタジー」が一切だめな私ですが、この人の作品は、短編・長編問わず、ぐいぐい引き込まれていきます。本当に上手い。
今回も、短編一つひとつが深く心にしみ入ってきました。たいてい、前向きな結末を迎えるのが好きです。たぶん、人間というものにとても期待している人なのではないかな。 不条理とユーモア
20ページ程度の短編が9話。「鼓笛隊の襲来」でぐっと心をつかまれる。不条理な現象をもなんとか受け入れてしまう日常のしたたかさ。そこにユーモアがちりばめられ、絶品である。「彼女の痕跡展」は、純度の高い不条理劇。存在そのものの不確かさに不安になる。
その後も、たった一つの不条理事象が侵入した現実と日常とが描かれる。ただ、理屈や観念でまとめようとすると、少し浅くなる気がする。彼の作品は、むしろまとまりのない方が闇の深さを感じさせる気がする。 またもや奇想炸裂
第2短編集だが、本作も奇想が炸裂していて楽しめる。基本的に『バスジャック』と同じ
作風だが、今回はアイデンティティの揺らぎが感じられて、ややP・K・ディック風な 話になっている。小説内の物語空間での現実と我々のいる通常世界での現実とのズレ・ ねじれが心地よい。独特な味の文章もプラスに働いている。 いままでの三崎作品のなかで本作が一番とっつきやすいかもしれない。三崎ワールドを 初めて体験する人はこれを最初に読んだほうがいいかも。もっとも今回も相当ひねくれて いるけど。 あいかわらず変則的な話なので、合う人には合う、合わない人には徹底的に合わない作品 ではある。私はこういう作風はドンピシャなので、充分楽しめた。ただ、そろそろ マンネリの傾向があるので、作風を少し変化させたほうがいいとは思う。 これが「物書き」なのだと思う。
やっぱりこのひと天才だ、と常々感じる。
悲しくなるくらい、こういうひとが「物書き」なのだと思う。 傑作であればあるほど、くらくらと眩暈を感じる。 9つの短編からなる本作。 買ってからしばらくもったいなくて、寝かせておいたけど読み始めたらもうダメ。 読まずにはいられない。そして、この気持ちを残しておかなくてはいけない気がする。 まず、全体のタイトルともなっている【鼓笛隊の襲来】から、血の気が引く。 どうして?どうやったらこんな物語が書けるの?緩やかに鮮やかに、読む者に 衝撃を与え、巻き込む。まさにストーリー通りに。 実は三崎作品は、短編も長編も登場人物のインパクトはさほど強くない。 好きなキャラクターは、ときかれても困ってしまう。でも、誰もがしっくりと その世界にはまっていて、「秩序がある」という言葉がぴったりくる。 ひとつひとつの感想を述べるのは愚だ。 三崎の世界は自分で読むことでしか近づけないし、初めて読むその時の 感動的とさえ言いたくなる、突き上げる気持ち・・・それを奪ってしまうことは 例え書評・読書感想文であってもしてはいけない気がする。 わたしの好みでいうと、【鼓笛隊の襲来】の秀逸さは圧倒的だが、 【覆面社員】【象さんすべり台のある街】も順当に好きだ。けどベスト3なら 【同じ夜空を見上げて】と【遠距離・恋愛】だろう。後者は心がじんわりと あたたまるようのだけれど、ストレートにはやってくれない。こんなに短い 話なのに、ひとつひとつだけでエピソードを作れそうな、どこまでも濃厚で なのにまったくそれを感じさせない、すとすとと通り過ぎるような読後感。 前者の話は、似たような話を他の作者で、他の物語で読んだ事がなくはない、 そんな物語ではあるのだけれど、泣いていいのか、微笑んでいいのか、 実に読者を困らせる。心を、掴む。 発想だけ、ストーリーだけ、筆致だけなら、他にも類似の作者はいるかもしれない。 だけど、それらを全て持ち合わせ、美しくタクトをふれるのは今のところ三崎が ダントツだ。絶対に信頼して買える。裏切らない。そばにいて欲しい、そんな本。 相変わらず、冴えてます
最初の1行を読んで、迷わず買った。相変わらずの三崎ワールドが広がっていた。短編一つひとつ、にやにやしながら読み進んだが、読後感は実に爽快だ。一見わけのわからない不条理なことが書いてあるようでいて、実はとても身近にあることだったりすることに気がつく。覆面をして出歩くことが許可される話などは、比較的わかりやすい方だろう。と、後で屁理屈をこねるのも楽しいが、そうでなくても筆力のある作家さんであるから、面白く読ませる。
鼓笛隊の襲来を見てみる
クリエーターは「三崎亜記」です。 この商品を買った人は他にも「バスジャック」、「愛しの座敷わらし」、「失われた町」、「千両花嫁―とびきり屋見立帖」、「論理と感性は相反しない」、などにも興味を持っています。 となり町戦争 (集英社文庫)
レビュー ![]() 評価が分かれる作品なのですね。
小説二度目読みました。皆さんのレビューを見ると評価が分かれる作品なのですね。私はとても好きでした。なぜなら、私が小説を読む理由は1)別世界に連れていってほしい2)楽しみたい3)メッセージ性がほしい(この場合、見えない戦争の恐怖)なので、魅力的な設定とキャラクター、それに小物(役所の書類など)もあり満足しました。
おたくという感じはせず、普通の世界がちょっと異常な方向にずれるというか、そのずれ具合がとても良かったです。 楽しいだけの小説は後に何かが残らないので、作者が伝えたいメッセージというのを受け取りたい。それもちゃんと受け取れたので、私には満足な本でした。 単行本で良かった
戦争という血なまぐさい状況に相反し
相変わらず役所は役所然としているし 日常は日常として続く。 ノンポリの一般人は自分の身に災いが降りかからない限り無関心だし 権力にあやかることに執心な者はどこでも必死だ。 別に戦争という定義が無くても 交通事故やら殺人やら、強盗やら、医療事故やら自然死やら孤独死やらで人は毎日大量に死んでいる。 そんなことを描きたかったのだろうけど あまりにも筆致が稚拙で飽きるし リアリティのない戦争を描くにしても 無さ過ぎていつ「実は夢でした」と言ってくれるんだろうかと じりじりした。 戦争を透明感のある(=リアリティがない)文章で書くことはタブーだと思うのです。 着眼点とタイトルと、装丁だけが良かった。 単行本で買って良かったです。 現代社会、官僚体制への皮肉
ある日突然、回覧板「町のおしらせ」と共に戦争が始まった。
お役所的でまるで中身がつかめない戦争にしらずしらず巻き込まれていくものの、理由も何もわからず実態をみることもなく「お役所的」にしかし着々と戦争は進んでいく。読んでいると無味乾燥、意味不明瞭のお役所の実態がそのまま反映されているようで非常におかしい。 しかし、戦争でないにしろ、役所が決めたことで知らず知らず自分達の生活が変り、巻き込まれている現代社会、それを戦争という名で皮肉った作品と思えてきた。 戦争を「年金」「保険」「自衛隊」その他さまざま不条理でわからない政治の世界に置き換えてくると違った見方ができる。 小説としての娯楽性はあまりないものの、その独特の視点は評価したい。 読まなくて良い。
着想は良い。
戦争とは最早私達がリアルな感じるところではない、と訴えていることはわかる。 しかし、何故文庫本刊行に際し、別章を加えたかわからない。自らの小説に自信があるなら、焼き直してサイドストーリーなど今更書く必要はない。 内容については他のレビュー通り、ベッドシーンは「逃げ」にしか見えない。 終始無神経な話でした
作中の不条理さが、すべて主人公に都合がよく、ヒロインは主人公に「公務として」身体を差し出し、スパイのおばさんはすれ違った程度の面識しかない主人公を救うために「自ら選んで」犠牲になり、いい加減な偵察しかしていない主人公の報告を「非常に役立った」としながら逃げ回る主人公への指示は敵の配置まで異常に正確に掴んでおりものすごいハイテクと予算の浪費っぷりを見せつけ、ヒロインの弟も含めた市井の人々がゴミ処理場で焼却されている傍ら役所の戦争担当部署が総員で主人公を出迎え……
主人公の心理的負担を軽くするためのギミックまで至れり尽くせりで、ここまで主人公に都合が良い話も珍しいんじゃないかと思います。ただの快楽殺人者を戦争経験者だから家族を失ってるからと理由をつけて肯定的に描写するに至っては頭痛を禁じえませんでした。 終盤、ヒロインと主人公が会話をするシーン、あまりにも主人公の言動が無神経で普通の感覚の人間なら怒るぐらいでも生ぬるいのではってぐらいの無神経さなのにヒロインは主人公と寝てしまうし、最初はとても面白い着想の話だなぁと思って読み始めたのですが、読み終わってみたらこの作者は主人公と自分を同一視してるが故に話がここまで主人公を甘やかしているのかなぁと勘繰ってしまうぐらい、なんというか、ひどかったです。
となり町戦争 (集英社文庫)を見てみる
クリエーターは「三崎 亜記」です。 この商品を買った人は他にも「バスジャック」、「失われた町」、「バスジャック (集英社文庫)」、「鼓笛隊の襲来」、「となり町戦争 (クイーンズコミックス)」、などにも興味を持っています。 となり町戦争 [DVD]
レビュー ![]() 戦場に結ぶ恋 珍妙だがリアリティ
何とも珍妙なストーリーだが、
現代日本の現実を良くシンボライズ。 原田知世を始め、微妙な演技は絶妙。 個人的には、知世さんに惚れ惚れ。 多少なりとも平和の有難さを感じられる、 珍妙な快作、傑作、秀作。 意外にも奥深い映画。戦争は業務でしかないのか?
同名小説を映画化。普通の会社員・北原の元に開戦通知表が届く。どうならとなり町と戦争が始まるらしい。公務員である香西に頼まれ、となり町の偵察に任命される北原。戦争をしている気配がまったくない日常。しかし増えていく戦死者。やがて北原は戦争のリアルさを知ることになり・・・。
たくさんの戦争映画を見てきたが、本作はそんな戦争映画の中でもかなり異質な作品。作風は少々シュールでどこかコメディっぽい。しかし、本作は見掛けによらず恐い映画。前半からは想像出来ないほどの恐ろしさを後半で描いている。 戦争をしているというのに、自分の生活は何一つ変わらない。戦争をしている実感がまったくない主人公・北原。そして戦争は業務と考える香西。二人の登場人物のおかげで、戦争の恐ろしさが明確に示されてる。自分が直接人を殺していなくても、戦争に参加しているということだけで人殺しになってしまう恐怖。主人公・北原の上司が映画の中で言う一つ一つの言葉にも重みがある。「戦争してるのはハリウッドスターじゃない。そこらへんにいるおっさん何ですよ。」、「仲良くしましょうよ。戦争をしていた国とも今は仲がいいでしょ?」。本作ではこの上司が鍵となってくるので注目するべきだろう。 戦争をしている実感がないというのは、まさに現代人だからこそ。しかし確実に戦争は激化していて、気付けば取り換えしのつかないことになっている。戦争のリアルさを非常にシュールに描いた良く出来た作品。戦争シーンが一つもないのが、さらにリアルさを増している。 おままごとの戦争ゴッコ
隣町どうしが戦争に!
このあり得ない設定にどれだけリアリティを持たせてくれるのか、 楽しみにして見ました。 まずは、偵察業務に命じられ混乱した主人公が町役場に出向き、 説明を求めるシーン。役人の女性のお役所的な対応はとってもグー! しかし、それだけ。 その後は淡々と進んでいく。 リアルな戦場シーンも巻き込まれた葛藤も無い。 主人公とヒロインのふれあいが描かれるだけ。 だから、ラストの主人公のセリフにも感動が無い。 これでは「世にも奇妙な物語」の域を出ていない。 このクオリティーで映画にし、114分も引っぱられるとツライ。 今現在リアルに継続中のアジアやアフリカの内戦や貧困の記事を見て知っている せいか、この作品の「おままごとの戦争ゴッコ」が心底腹立たしかった。 しかし、江口洋介はオッサンになってもカッコイイな。 原田知世もイロっぽい演技ができるようになった。 反戦映画
最初に断っておきますと、この映画にドンパチは皆無です。
なので、そういった内容に期待すると開始1分ぐらいでガッカリします。 かくいう私がそうだったのですが、しばらくするとオフビートなコメディ調映画に。 おぉ、これはある意味面白いと思ったら、ちょこちょこ戦争への皮肉、反戦の気配が見えてきます。 後半になると完全にそのテイストになり、序盤とはがらりと変わった作品になっています。 一見ぶっ飛んだ設定ですが、これが現代戦争のオリジナルと言われれば まあわからないでもないものです。 ただ、流石にいくらなんでも強引で突飛な設定なので、説得力は若干弱い・・・かも。 この作品の提唱することを納得するかどうかはともかくとして わりかし楽しめる作品だと思います。序盤はかなり原田知世鑑賞映画です。 劇中の 「戦争はね、ハリウッドスターがやるんじゃないんですよ。そこらへんのおじさんとか、若者とか〜」 この台詞が個人的にスマッシュヒット。 設定は面白い・・・のかもしれないけど、工夫がほしかったですね
作品の内容紹介の欄に、「シュールで不条理な設定で話題を呼んだ三崎亜記のベストセラー小説を
映画化した新感覚サバイバルサスペンス」と書かれていますが、”新感覚”でも”サバイバル”でも”サスペンス”でもありませんでした。 原作では戦争が始まった理由が少しは語られているのでしょうか。 そういうことを杓子定規に説明してしまうとせっかくの”シュールで不条理な設定”が白けてしまうのかもしれませんが、 ただ戦争始まりましたよ、知らないとこでぽろぽろ人が死んでますよと言われても、はあそれで… というかんじでまったく傍観者の気分のままです。引き込まれるような巧みなストーリー展開もないので 最後までなにも考えることもなくボーッと眺めてるだけでした。江口洋介も原田知世(二人とも歳とりませんね!) もなかなかいい演技してただけに惜しいです。
となり町戦争 [DVD]を見てみる
クリエーターは「渡辺謙作」「江口洋介.原田知世.瑛太.菅田俊.飯田孝男.余貴美子.岩松了.小林麻子」です。 この商品を買った人は他にも「神様のパズル [DVD]」、「東京少女 (通常版) [DVD]」、「犯人に告ぐ [DVD]」、「自虐の詩 プレミアム・エディション [DVD]」、などにも興味を持っています。 |