ラスト・デイト
文字通り晩年(Last Date)の作で、公式アルバムとしては遺作である。ブッカー・リトルやジョン・コルトレーンらとの共演作品でも独特な音使いによる非常に個性的なアドリブを展開する奇才、エリック・ドルフィがオランダを訪れ、現地の優れたジャズ・ミュージシャンらと共演したライヴ録音。 アルト・サックスのほか、フルートなども操るマルチ・リード奏者ドルフィのトレード・マークでもある、バス・クラリネットから始まる「エピストロフィー」の孤高のユーモア感。一方うって変わって美しい音色を聴かせるフルートは、バラード「ユー・ドント・ノー・ホワット・ラヴ・イズ」で堪能できる。ピアノのミシャ・メンゲルベルグもドラムのハン・ベニンクも、後のヨーロッパ・フリー・ジャズ界を背負って立つ逸材だが、ここではドルフィを立てる伴奏が素晴らしい。 ラストにはドルフィの肉声が。「音楽は空(くう)に消え、二度と捉えることは出来ない」と、ジャズの本質を語る。この27日後、ドルフィは祖国に帰ることなく、ベルリンにて死去。(高木宏真) レビュー ![]() むかし・・・
JAZZにのめり込んでいた頃、ドルフィーと出会った。それから今日まで僕のマイ・フェイバリット・プレーヤーのひとり。
この作品との最初の出会いは北海道釧路だったか帯広だったかのJAZZ喫茶であった。僕は旅の途中で街中に発見したJAZZ喫茶に吸い込まれていった。そこで、聴いたのがこのLP(B面)だった。大きな衝撃を受けたことを忘れない。東京に戻って中古レコード屋をはしごしても、このLPは捜せなかった。すでに廃盤となっており、僕の行きつけのJAZZ喫茶でも置いてなく、僕の頭の中では「もう1度聴きたい」という思いが日増しに大きくなっていった。 やがて、執念で中古店で見つけたLPはこのジャッケットデザインで「LIMELIGHT」レーベルのものだった。少々高い買い物となったが、忘れられない1枚となった。 劇的なドルフィーの最期の象徴
エリック・ドルフィーの才能についてはさまざまな意見があるだろう。フリージャズにも加担しながら一線を画し、モードでもバップでもない不思議な世界を飛翔したサックス奏者だった。コルトレーン、ミンガスとの共演では、主役に負けないくらいの個性を発揮し、灰汁のあるアルトサックスやバスクラリネットで周囲を圧倒する。かと思えばフルートでの見事な美しく素直な表現はジキル博士とハイド氏かと思っていしまう。そんなドルフィーのラストレコーディングがこれまた劇的過ぎる。まさに悲劇の天才として彼の残像が消えることはないほど強烈なアルバムである。初心者にはあまりお奨めできないが、いずれ避けては通れないジャズの一つの姿なのだといえるだろう。
モンクの文句ない後継者ドルフィー
このラスト・アルバムは、名演「ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ」のみで語られることが多い。この演奏の素晴らしさについてはもはや贅言を要さないと思われるので、わたくしは語られることの比較的少ない冒頭の「エピストロフィー」と「ヒポクリストマトリーファズ」の二曲についてコメントしたいと思う。
前者はセロニアス・モンクの名曲である。ここでのドルフィーの前奏は完全にオリジナルであり、モンクの原曲を聴けばこの大胆きわまりない前奏に驚かれることと思う。また、ドルフィーのひとつの魅力であるバス・クラリネットという楽器の選択がこの曲ではまさにはまっていることがわかる。意外に知られていないが、モンクのアドリブ、オリジナル曲の曲想と、ドルフィーのそれは近接している。クラシックで言うとドビュッシー、バルトーク、ストラヴィンスキーあたりの発想に近いのだが、そういう意味ではジャズにおいてモンクの後継者となり、彼の音楽をさらに発展させるべき運命を担っていたのがこのドルフィーであったのに、客死という結末は本当に残念だ。 後者はピアノのミッシャ・メンゲルベルグが提供したオリジナルだ。この「ラスト・デイト」を支えるもうひとつの力は、このメンゲルベルグの好演である。そのドルフィーとの音楽性との共通性は、このオリジナルの曲想とアドリヴによく現れている。その後の彼の活躍については寡聞にして知らないが、どうなったのだろうか。 ドルフィーはいつでも新しい
学生の時始めて入ったジャズ喫茶で、カウンターの上にあったのが(つまりその時演奏されていたのが)このジャケット、このレコードだった。カレーソースの匂いとたばこの煙の中でドルフィーのフルートを聴いた僕は「なんじゃこれは」と度肝を抜かれた。
ドルフィーがベルリンで客死した64年からその時すでに15年も経っていたのに、彼の音楽はそれまでのどんなものよりも新しかった。そして、それから30年が過ぎた今でも、このCDを聴きかえすたびに、最初の驚きが蘇る。 You Don't Know What Love Isでフルートを諦めた。
Menphis Undergroundのコピーで喜んでいた筆者が衝撃を受けた作品。
追随を許さない奏法、誰からも愛された人柄、そして才能。コルトレーン フォロアーはでても、ドルフィーフォロアーは少ない。ただし、いきなり この作品から聴くのはお薦めしない。楽器を演りなくなる恐れがあるから である。
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クリエーターは「エリック・ドルフィー」「ミッシャ・メンゲルベルグ」「ジャック・ショールス」「ハン・ベニンク」です。 この商品を買った人は他にも「Out to Lunch」、「レフト・アローン(K2HD/紙ジャケット仕様)」、「Eric Dolphy at the Five Spot, Vol. 1」、「ソウルトレーン」、「Relaxin'」、などにも興味を持っています。 ラストデイト
レビュー ![]() 78年 阿部薫のハーモニカ
亡くなる10日ほど前のライブ。
阿部薫はアルトサックス、ギター、ハーモニカを演奏している。サックスの演奏がいい。 しばらく調子の悪い時期があったが、いい演奏をしている。しかし調子を取り戻した78年 に彼は亡くなる。ギターに関しては、さすがにプロの音楽家なので、音を出す間がいい なぁというぐらいで、個人的には特に感想はない。 聴くべきは次のハーモニカでの演奏だ。ハーモニカでここまでの演奏ができるのだろうか。 この世のものとは思えぬ、それぐらいの演奏だ。この1曲のためだけでも手に入れる価値の あるCDだと思う。向こうの世界から流れてくる音とでも言ったらいいのだろうか。 幸い、阿部薫のCDのなかでは手に入りやすいCDなので、手に入れてもらいたいです。
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クリエーターは「阿部薫」です。 この商品を買った人は他にも「阿部薫1949~1978」、「The Last Recording」、「彗星パルティータ(紙ジャケット仕様)」、「北 (NORD)」、「スタジオセッション1976.3.12(紙ジャケット仕様)」、などにも興味を持っています。 ラスト・デイト
文字通り晩年(Last Date)の作で、公式アルバムとしては遺作である。ブッカー・リトルやジョン・コルトレーンらとの共演作品でも独特な音使いによる非常に個性的なアドリブを展開する奇才、エリック・ドルフィがオランダを訪れ、現地の優れたジャズ・ミュージシャンらと共演したライヴ録音。 アルト・サックスのほか、フルートなども操るマルチ・リード奏者ドルフィのトレード・マークでもある、バス・クラリネットから始まる「エピストロフィー」の孤高のユーモア感。一方うって変わって美しい音色を聴かせるフルートは、バラード「ユー・ドント・ノー・ホワット・ラヴ・イズ」で堪能できる。ピアノのミシャ・メンゲルベルグもドラムのハン・ベニンクも、後のヨーロッパ・フリー・ジャズ界を背負って立つ逸材だが、ここではドルフィを立てる伴奏が素晴らしい。 ラストにはドルフィの肉声が。「音楽は空(くう)に消え、二度と捉えることは出来ない」と、ジャズの本質を語る。この27日後、ドルフィは祖国に帰ることなく、ベルリンにて死去。(高木宏真) レビュー ![]() 特別な視点
公式アルバムとしての遺作。
ジャズの巨人たちにその表現の美学を絶賛されながら、ドルフィー自身は常に困窮し続けたと言われる。 64年にベルリンで客死。同年発表のこの作品は オランダに渡り ハン・ベニンク(dr)、ミッシャ・メンゲルベルク(p)(このヒトのピアノも相当凄い!) などのヨーロッパ・フリー・ジャズ界の面々 とのセッションで 実現したものらしいが そういう先入観があるためか不思議な雰囲気を感じる。 彼岸の彼方から浮遊してくるような 「you don'tknow what love is」の優しい音空間に 酔いしれる 異界への迷宮を織り上げてしまった深淵の音楽
奇跡の名盤! 単にモダンジャズの名盤という域を超えた、人類の音楽史上の比類ない一つの遺産でしょう!
"You Don't Know What Love Is" フルートのフレーズが駆け上がると共に、一瞬にして異界の音空間が出現します。神秘的な即興の歌が安らぎ、よく知られたテーマで落ち着くけれど、 すぐに、深淵の鳥めいた異様なアラベスクが、ドルフィーの過去の演奏を集約しつつそれを超える鮮烈さで、果てしない音の迷宮を織り上げて行きます。それはジャズ音楽においてだけでなく、音楽全般にとっての一つの奇跡の時で、このアルバムはその「永遠に生き続ける墓碑」でしょう。 ドルフィーは、クラシックの近現代音楽にも造詣が深く、前衛フルート奏者ガッゼローニとも親交がありました。ジャズから音楽一般に視点を広げれば、この演奏は、ドビュッシーの『牧神の午後…』からストラヴィンスキー『春の祭典』、メシアン『世の終わりの四重奏』など、近現代音楽の享楽のコアが、クラシックでもバップでもモードでもない、どこにもない音楽として、ジャズという郷土から即興的に昇華され結晶したような音楽とも言えるでしょう。 アルバム冒頭の、バス・クラによる"Epistrophy"もまた、低音木管楽器の拘束を、その限界に導くことでのみ現出する、純粋状態の音楽的事件です。 これがドルフィーの遺作(公式上の)となったことは、音楽の人類史にとって残念すぎます。 劇的なドルフィーの最期の象徴
エリック・ドルフィーの才能についてはさまざまな意見があるだろう。フリージャズにも加担しながら一線を画し、モードでもバップでもない不思議な世界を飛翔したサックス奏者だった。コルトレーン、ミンガスとの共演では、主役に負けないくらいの個性を発揮し、灰汁のあるアルトサックスやバスクラリネットで周囲を圧倒する。かと思えばフルートでの見事な美しく素直な表現はジキル博士とハイド氏かと思っていしまう。そんなドルフィーのラストレコーディングがこれまた劇的過ぎる。まさに悲劇の天才として彼の残像が消えることはないほど強烈なアルバムである。初心者にはあまりお奨めできないが、いずれ避けては通れないジャズの一つの姿なのだといえるだろう。
40年の月日を経ても色褪せない名作
しばしば最高傑作とも評される、孤高の天才マルチ・リード奏者エリック・ドルフィーの遺作(1964年録音)。
チャーリー・パーカーを敬愛しながらも、全く独自のスタイルを確立したドルフィーの作品はどれも一聴の価値があるが、中でも本作は特に強い魅力に溢れている。1曲目の「エピストロフィー」の印象的なバスクラの演奏に始まり、最後の「ミス・アン」まで一気に聞かせてしまうドルフィーの演奏力・構成力は、まさに驚嘆の一言である。 ジャズという狭い枠組みを超えて多くの人々に訴えかける音楽を作りつづけた異邦人エリック・ドルフィー。そんな彼の魅力が詰まったこのCDは、ジャズ・ファンはもとより、ジャズに否定的な印象を持つ人にこそ聞いてもらいたい。 評価/100点中85点 Eric Dolphy(alto sax,flute,bass clarinet) Misha Mengelberg(p) Jacques Schols(b) Han Bennink(ds) Dolphyの白鳥の歌
この演奏の約一ヵ月後に亡くなるとは信じがたいDolphy畢生の名演である。バスクラ、アルト、フルートの演奏全て素晴らしいが、やはり"You Don't Know What Love Is"のフルート演奏は慄然とする美しさであり、本盤のハイライトと言ってよいだろう。そしてDolphyの遺品のフルートはColtraneに受け継がれた。何ともドラマチックな話ではないか。Dolphyの肉声による泣かせる名セリフに加え、共演者のメンゲルベルクやベニンクが真っ当な演奏で、フリー/アバンギャルドな部分があまり感じられないのも、本作が多くのリスナーに支持される理由である。Dolphyの最高傑作としてはリスナーの嗜好によって、Five Spot、Out to Lunch、あるいは本作とわかれるところであろうが、いずれにしてもDolphyのベスト3には必ず入る名盤である。素晴らしい。
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クリエーターは「エリック・ドルフィー」「ミッシャ・メンゲルベルグ」「ジャック・ショールス」「ハン・ベニンク」です。 この商品を買った人は他にも「Out to Lunch」、「Eric Dolphy at the Five Spot, Vol. 1」、「Eric Dolphy at the Five Spot, Vol. 2」、「Far Cry」、「Out There」、などにも興味を持っています。 |