ホントのきもち
レビュー ![]() インタラクティヴ・丁々発止
濃密な傑作でした。矢野顕子が一緒にやろうと誘ったくるりとレイハラカミとのコラボです。互いの出方に刺激をうけ、鎬を削るスリルからドリップした果実だからこそ、どれも彼女の感性がビビッドに働いた音楽が鳴っています。
1、L・M/矢野+岸田 2、L/矢野・M/岸田+矢野 3、L・M/岸田 4、L・M/矢野 5、L/矢野+岸田・M/岸田+矢野 前半は岸田氏プロデュースでくるりと共演。詞は連歌のように褒めあったり貶しあったりし言葉を重ねたとか。例えば1は矢野氏独特の間が、岸田氏の間を得て切ない背景をゆっくり忍ばせてゆきます。音の心象風景も両天才ならでは。一転2はタイトなフレーズが癖になるエキセントリックなロック。3は当にくるりの世界。彼女の微細な声表情が曲を掌握する点は流石です。5では岸田氏のVo.も。「自転車でおいで」の佐野元春もそうでしたが、朴訥で無機質な呟き声は矢野音楽によく合いますね。行間や詞の素朴な空気を伝えます。特に後半の透明な描写は素敵です。 6、L/矢野+岸田・M/矢野 7、L・M/矢野 8、L・M/矢野 9、L・M/矢野 10、L/矢野+岸田・M/矢野 ピアノ引語りの6は闇を走る夜行列車。車体への愛情、風を切る緊張感はかなりリアル。7、10はレイハラカミのプロデュースするエレクトロニカです。7は静けさとか浮遊感とか光と影じゃなくて、何か万華鏡の様に次々と形を変え様々なものを映しこむ不思議な色彩。少女の楽しい心に飛び込んで天井で言葉が響いている様でした。 彼の作る風景の中で矢野氏の声は求心力になっています。しかし風景はお構いなしに流れてゆく…その両者の構図関係、絶妙のインタラクティヴは今作いちばんの聴き所です。10は“りんごの中を走る汽車”という宮沢賢治を思い出す、心の宇宙を旅する銀河鉄道でした。 8、9はアンソニー・ジャクソン(B)、クリフ・アーモンド(Dr)、オズ・ノイ(G)とのセッション。 今後の課題を感じた。
くるりの岸田繁氏とRei Harakami氏とのコラボレーションによる豪華な作品。
ただし、感想は期待通り半分、期待はずれ半分といったところ。 期待はずれの主たる理由は、肝心要の矢野さんの歌唱。感じた問題を列挙してみると・・・ 1.アップテンポのバンドサウンドにおける、がなるような歌い方に対する違和感 2.ほとんどの曲を似たような歌唱スタイルで歌っていて、曲調の多彩さに対応できていない 3.そのため、曲と歌唱とのミスマッチ感を覚える楽曲あり ・・・といった具合。 音楽活動に限らず、ながくキャリアを積んでいくと、悪い意味での「型」が出来上がってしまうものだけれど、彼女の場合、曲そのものは非常に自由で柔軟なのだから、歌唱で「型」にはまってしまうのは実にもったいない。 聴いているとなんだか、感覚や本能だけで歌っているように感じられるので、もっと客観的に推敲しながら、丁寧に歌いこんでみてほしいのだけど・・・。 年とって劣化してるのかなと思っていたのに
わたしは矢野さんのファンです。矢野さんのファンになってからもう十年ぐらいたつのでしょうか。
このアルバムは矢野さんの作品だということで、まあそれなりに期待しながらなんとなく聞いてみたのですが、ビックリしましたね。 良すぎです!他のレビュアーの方がおっしゃっておられるようにもしかしたら今回のアルバムは矢野さんのベスト1なんじゃないですかね。 わたしは坂本龍一も好きなのですが、正直彼の作品は彼が年をとるにつれ微妙に劣化してきているようにも思います。 なので矢野さんの今回の新作アルバムもそれなりに期待している程度のものだったのですが、本当にいい意味で見事に期待を裏切ってくれました。 音楽家は年をとっても素晴らしい作品を生み出し続けることができるのですね。 新しいアッコちゃん。
前作のオリジナルアルバム「Reverb」でも感じた。心地よさがさらにパワーアップしている感じ。前々からライヴで「ばらの花」「春風」などを歌っていたアッコちゃんだったのでくるりとコラボは予想はつきました。「TooGoodTobeTrue」はくるりの作品ではありませんがレイハラカミによるエレクトロニカが最高に気持いいですライブでもやったレイハラカミアレンジによる「David」「終りの季節」もCD化して欲しい。
「N.Y.C.」は歌詞がアッコちゃんっぽくていい。ニューオリンズ的なドクター・ジョンが歌っても良さそうな「HouseofDesire (Burnin’Down) 」も巧みな演奏がこれまたアッコちゃん!ただ「NightTrainHome 」も悪くはないのですがもう少しインパクト欲しいかも。これは関係ありませんが以前さとがえるのクアトロで披露した「Photograph」もCD化して欲しいくらいすばらしい演奏でした。右手でピアノ左手でオルガンを弾くアッコちゃん。このアルバムにもそんなかっこよさと暖かさが詰まったまさに「ホントのきもち」だと思います。 ピュアな矢野顕子の音楽なのです
変わっていくものと、変わらないもの、それが同時にこのアルバムにはあります。たとえば一曲目の”行かないで”は、「これはデビュー当時のあっこちゃんの曲だよ」といって聞かせると信じてしまうでしょう。あるいは2曲目の”N.Y.C”なども「これは89年にパール兄弟とのコラボで録ったの」というとたぶんこれも信じてしまうでしょう。でもこれは”くるり”の岸田繁さんと組んだ新しい録音です。このアルバムのどこを切り出してもピュアな矢野顕子の音楽なのです。私のお気に入りは6曲目と10曲目の“Night Train Home”です。前者があっこちゃんらしい上質なピアノ、後者はレイ・ハラカミによる編曲&プログラミング&演奏ですが、これも常に最先端を吸収していくあっこちゃんらしいサウンドといえるでしょう。(筆者は矢野顕子デビュー以来のファン)
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クリエーターは「矢野顕子」「岸田繁」です。 この商品を買った人は他にも「reverb」、「はじめてのやのあきこ」、「akiko-Complete Box-(初回限定盤DVD付)」、「Piano Nightly」、「yanokami」、などにも興味を持っています。 ホントのきもち (SACDハイブリッド盤)
今のロックは矢野顕子の爪のアカを煎じて飲め、と言いたくなってしまった。Y.M.Oにヤラれたその昔、おのずと触れることになった矢野の存在を、他人事ながら自慢したい気持ちになった感覚に近い、世界に誇りたいものがこの新作にはある。 岸田繁との共作で鳴っているのは、基本的に最近のくるりの言葉数少なめで素直なメロディ。いくらでも自然にアクロバティックなこともできる矢野が、それをしないことの新鮮さ。もしくはN.Yの盟友ジャズ・ミュージシャンとの、このうえなくロックなセッションの自由度。誰とコラボしてもここまではできまいという、躍動感に満ちたレイ・ハラカミのサウンド・プロデュース。岸田の鉄道フェチっぷりと、矢野の勇気凛々な女の子像が結実した「Night Train Home」はじめ、ここには喧喧諤諤(けんけんがくがく)を経た楽しさがあふれている。(石角友香) レビュー ![]() レイ・ハラカミと組み新境地を開く
もともと矢野顕子は最先端の音楽を取り入れていくスタイルを持っている。たとえば初期の頃の「いもむしごろごろ」は当時画期的であったムーグのシーケンサーを取り入れているし、「やませ」などはムーグサウンドとピアノのコラボだ。後、カクトウギセッションという名のYMOのメンバーと六本木ピットインでライブをし、YMOのワールドツアーへという流れになる。それ以降は、多くの人が知る所なので割愛するが、その流れとして今回のレイ・ハラカミとの"Too Good To Be True(7曲目)"と"Night Train Home(10曲目)"は、最先端サウンドの新境地である。このサウンドに近いのはJeff Bovaとタッグを組みTHE HAMMONDSとして出しているlife behind TVだろう。しかしレイ・ハラカミのサウンドの方が緻密である。レイ・ハラカミと組んだこの二曲を聴くためだけにでもこのアルバムを購入する価値がある。
矢野顕子さんならではの魅力満載。
2年半ぶりの新作。今回は、矢野さんと親交深いくるりのメンバーと5曲もコラボーレーション。以前もBOOMとのコラボでも実証済みのように、それぞれの良さを生かしながら、人としての交流があるからこんな音楽なんだと実感できるコラボをするのが矢野さんの信条だと思います。またシングル「わたしんち」でも実証済みのように、バックミュージシャンとのセッションが今矢野さんの音楽の機軸にあるようです。今回は、エレクトロニカ・アーティストとして有名な、”レイハラカミ”さんと2曲をコラボレーション。またニューヨーク・ジャズ界で著名なアンソニー・ジャクソン(B)、クリフ・アーモンド(Dr)、オズ・ノイ(G)とのセッション。そして、日本で一番のPOPS界のピアニストだと思う矢野さんのピアノの弾き語りも収録。
音楽的テクニックと人間味温まる感性そんな矢野さんにしか表せない音楽が感じられるCDだと思います。SACDとのこと、ふつうのCDプレイヤーではその魅力はわかりませんが、CCCDでないことに安堵します。この方向でお願いしますね。SONYさん。
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